世界でも優れていた 日本が道を外してしまった 原因とは   武田邦彦        2021/3/10

日本は世界でも飛び抜けて優れた国だった。
温帯の島国という世界で唯一の環境を活かし、自然に敵対することなく、自然をよく観察し、
そして日本列島に住む人や生物が等しく幸福な生活を送ることができるように考えた。
日本人の自然に対する観察力と思考力は抜群で、自然は決して無理をせず、「自ら然り」 という状態にあることがわかり、
それと同じ人間の社会を作るためには、当たり前の人間社会ができる必要があり、
それは 「差別のない、日本人と生物のための日本列島」 でなければならないということに気づいたのであった。

これに対して自然が厳しく、常に人間にとって自然を警戒し敵対しなければならなかった 中国、中東、ヨーロッパは 「対立の社会」 を構築することになる。
人間と自然が対立するだけではなく、人間の中にも 支配層と被支配層 の間に対立を作り、男と女も対立関係にした。
そのもう一つの原因は 「北方騎馬民族」 というものがある。
時々、北方のステップ
(広い草原) から騎馬民族がやってきて、一家を皆殺しにして財産を根こそぎ持って行ってしまう。
そんな厳しい自然と北方騎馬民族に対抗するために、すべては対立が基本であり、それを力
(暴力や知力) で決める概念を作り出したのである。
また、男性は身体的にも背が高くなり、女性は美人になった。 このような傾向は人間ばかりではなく、ほとんどすべての生物にみられる特徴である。
だから、おのずからそれから導き出される社会や人生、倫理などが大きく異なった。

ヨーロッパも中国も 戦争だらけ だった。 イギリスは海を挟んだ フランスと 100回を超す戦争をしており、日本と朝鮮の 3回などとは桁が違う。
中国はもちろん、戦争ばかりで後漢の時代には漢族に人の 9割は殺されたと言われている。 日本と全く違う。
男女も、ヨーロッパや中国は 「男が女を所有する」 ということで女性には何の権利も無かったが、日本では平安時代ですら女性の方が権限が強かった。
また ソクラテスや プラトンなどの哲学で有名な古代ギリシャは、90% が奴隷だったし、16世紀からのヨーロッパは世界中の有色人種の国を植民地にして、
そこからの作物や製品で生活していた。

なんでも自分たちでやってきた日本と大きく違う。
その結果、現在でも紛争は多く、軍事中心で階級制である。どの国に行っても 「労務者階級」 というのがあり、格好も体格すら違う。
奴隷こそほとんど無くなったが、今でも外国からの移民はひどい状態にある。
ヨーロッパやアメリカで 「男女平等」 が叫ばれるのはもともと女性は男性の所有物だったので、平等が問題になるが、
日本では 古来から女性の地位が高かった ので、男女平等という概念すら生まれていない。
今度の コロナでも スウェーデンで感染した人を民族別に見ると、外国からの移民で感染した人はスウェーデン人の 3倍に上っている。
被支配階級が存在し、その生活自体が圧迫されているからである。

天皇陛下だけが特別な存在にして、国民はみな平等という日本が 2000年間に渡って繁栄し、世界を制覇した 蒙古を撃退し、
日露戦争ではあの巨大な ロシアの陸軍 を乃木大将率いる日本陸軍第三軍が撃退した。
それもこれも 「日本列島は日本人のもの」 であり、「男女は相争う存在ではなく、協力して家庭を築き子供を育てる」
というごく当たり前の制度が良い結果をもたらしたのである。

多くの日本人が知らないが、世界には 190か国あるのに、「戸籍」 があるのはたったの 7か国で、その中でも日本は常に先頭を切っていた。
戸籍のない国では、結婚しても 「籍」 を作らないので、子供も中途半端になり、「夫婦別姓」 という考え方も生まれるが、
それは夫婦
(家庭) の姓が一つだけの日本に比べてはるかに野蛮である。だから、それでは発展は望めない。
しかし、明治維新、大東亜戦争を経て、ヨーロッパの文化だけを勉強した人たちが日本をリードしたことから、
日本より レベルの低い文化 にしようとする力が働き、素晴らしかった日本は徐々に力が低下している。
その一つが、「お金をもっている人が支配する」 という現在の商法であり、「従業員のため」 というより優れた慣習を持っていた日本の産業をダメにしている。
また、男女の幸福を考えず、「男に所有されていた女」 の地位を上げるために考案された、「男女平等」 やさらに 「男女機会均等法」 などでダメージを受けている。

日本より 野蛮なヨーロッパ文化 がなぜ 「学ぶべきもの」 と 勘違い するのだろうか?
それは厳しい競争環境の中で背が高くなり、乏しい太陽光の下で皮膚が白くなり、目の色も脱色された人たちの印象や、
「異なる文化を吸収した」 という過度の日本文化の影響であろう。
それが困ったことに自分に強いコンプレックスを持った 知識人、 文化人、 マスコミなど にその傾向がより顕著で、彼らの発信力がさらに日本を劣化させている。
果たして我々は錯覚から抜け出せるだろうか?

   
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