| イランの実情 読者の声 PB生、千葉 2024/10/23 米国の機密文書がイランに漏洩したが、イラン内部にも米国やイスラエルの諜報員が潜り込んでいる。 米国と イランの関係では レーガン大統領時代の 1986年に発覚した イラン・コントラ事件 が有名。 フランスの Voltairenet の記事では イランと米英イスラエルの関係を説明している。 https://www.voltairenet.org/article221335.html ホメイニは 反帝国主義者であり、イランはまず 英国から、次に 米国から苦しめられた。 西側諸国では知られていないが、第一次世界大戦中、イランは人口の 3分の 1、あるいは 半数を壊滅させる大飢饉に見舞われ、 この紛争の主な犠牲者のひとつとなった。 イラン人は、この大虐殺は オスマン帝国と ロシアに対抗する イギリス軍を養うために農作物を徴発したことが原因だと確信している。 その後、1953年、英米は、英・ペルシャ石油会社の石油を国有化した モサデグ首相を打倒し、後継者として ザヘディを押し付けた。 ザヘディをはその後、サディスティックな政治警察 SAVAKを、当時イスラエル・モサド支部のトップであった イツハク・シャミールによって委任された 修正主義 シオニストのグループの助けを借りて設立した。 アヤトラ・ホメイニの著作が常に米国 [大悪魔]と 英国 [小悪魔] に対して最初に向けられ、 イスラエルは アングロサクソンの表現としてのみ紹介され、独立した国として紹介されないのはこのためである。 しかし ペルシャ帝国と イスラエルとの緊密な結びつきは決して絶えることはなかった。 今日でも、1968年に国王とともに建設された エイラート・アシュケロンの石油パイプラインは、イスラエルとイランが半分ずつ所有する会社によって運営されている。 このパイプラインの所有者に関するいかなる出版物も、イスラエルでは懲役 15年に処せられる。 イラン・コントラ作戦は、ボリビアの ウーゴ・バンザー独裁政権と メデジン・カルテルを組織した クラウス・バービーによって発案された。 それは、サンディニスタを名乗る革命と戦う 親米傭兵に武器を供給する問題だった。 しかし、バービーは逮捕され、フランスに送還された。 国家安全保障会議内で暗殺の秘密チームを率いていた オリバー・ノース大佐が、この事件を引き継いだ。 ノース大佐はもっと複雑な作戦を考えていた。 レバノン内戦で人質となった米国市民を解放する代わりに、イランに武器を提供し、イラクの サダム・フセイン大統領を打倒することだった。 これらの武器は、イスラエルが 米国から供与されたものを、イランに譲渡したとされている。 しかしその一部は ニカラグアの コントラに渡ったはずである。 このプロジェクトは、シオニストで修正主義者の エリオット・エイブラムス国務次官補の支持を得た。 そこで、米国が国王時代から知っていたイランの代議士 ハッサン・ロハニと接触した。 彼はマジュリス(議会)議長の ハシェミ・ラフサンジャニに彼らを紹介した。 この作戦は非常に重要で、ラフサンジャニに支払われた手数料によって、ラフサンジャニは自国一の大富豪となった。 この暗黒の事件については、あらゆる公式調査が行われたにもかかわらず、最も重要なことは秘密のままである。 いずれにせよ、ハッサン・ロハニ (2013年から2021年にかけて大統領に就任) と ハシェミ・ラフサンジャニ (1989年から 1997年にかけて大統領に就任) が オリバー・ノースと エリオット・エイブラムスのチームの協力者であったことは明らかだ。 イラン人はライバルを壊滅させたくない。 そのため、2つのグループが対立すると、それを和解させるための委員会を作る習慣がついている。 この委員会はたいてい成功せず、それどころか別の組織と対立することになるため、4つ目の委員会を作ったりする。 結局、非常に複雑な組織図ができあがり、ちょっとした決定にも何十人もの署名が必要になる。 こうして、システムは自らを封じてしまったのである。 1993年から 1994年にかけて、革命防衛隊は ボスニア・ヘルツェゴビナで NATOとともに戦うために兵士を派遣した。 彼らは アリヤ・イゼトベゴビッチ大統領を支援した。 ハシェミ・ラフサンジャニ大統領の イスラム共和国と アングロサクソンとの間には、対立はなかった。 サウジアラビアと ウサマ・ビンラディンの アラブ軍団がこの共同作戦に関与していた。 2005年、イランの新大統領である 反帝国主義者 マフムード・アフマディネジャドに対して、大規模な報道キャンペーンが展開された。 ロイターは、アフマディネジャド大統領がイスラエルを地図上から消し去りたいと考えていると人々に信じ込ませるために、大統領の発言を捏造した。 この虚偽の引用は、ロイターが否定記事を書く前に、国連安全保障理事会から非難を浴びた。 アフマディネジャド大統領は、イスラエル国家はソビエト連邦のように時間によって一掃されると言っただけで、 その人口を海に投げ込むべきだとは言っていない。 しかしこの虚偽の引用は、今では多くの書物に既成事実として記載されている。 アングロサクソンが、イランは イスラエルをつぶすために核兵器を手に入れたがっていると人々に信じ込ませる キャンペーンを始めたのもこの時期だった。 彼らは、アフガニスタンと イラクに続く イランへの攻撃を正当化することを望んだ。 しかし、原子爆弾を手に入れようとしたのは 国王だった。 このプロジェクトは 1988年に イマーム・ルホラ・ホメイニによって厳粛に放棄され、それ以来復活することはなかった。 2009年、アフマディネジャド大統領が再選されたとき、アメリカは色彩革命を試みた。 そのとき、ワシントンは明らかに ラフサンジャニ元大統領を頼りにした。 2013年、彼らはついに最高指導者 アヤトラ・アリ・ハメニの特使と交渉し、大統領選挙でアフマディネジャド派を失脚させ、 ハッサン・ロハニを任命することに成功した。 2011年、モサドの侵入対策を担当するイランの対スパイ責任者が任命されたが、その正体は イスラエルの諜報員だった。 彼は2021年まで在任し、現在は イスラエルに住んでいる。 彼は イスラエルに逃亡した 20人ほどのチームに囲まれていた。 彼らは 核科学者の暗殺と ベンヤミン・ネタニヤフ首相が展示した公文書の窃盗を組織した。 このような状況下で、イランの情報筋が イスラエルに ヒズボラの指導者を一人ずつ暗殺できる場所と時間を知らせたことは驚くことではない。 特に、高指導者は現在、米大統領選のある 11月5日までに合意に達することを念頭にバイデン政権と交渉しているのだから。 つまり 親米派は今日、テヘランでかつてないほど強力になっているのである。 イランの主な問題は、欧米のマスコミが主張するような 保守派と革新派の対立 ではなく、制度の麻痺にある。 ナチ党があったように、イランにも 反ユダヤの潮流は確かにあるが、ユダヤ人社会はマジュリス (国会)に代表を送っている。 テヘランとイスファハンのブルジョワジーは国際貿易から富を得ているため、国境の撤廃を熱望している。 一方、田舎の庶民は、アングロサクソンの融通の利かない視線のもとで家族を滅ぼした飢饉を覚えている。 要約すると ・ イランの少数派は西側とイスラエルに同情的である。 ・ 反イスラエルの言説を持ちながら、テルアビブとビジネスをすることは不可能ではない。 ・ 親イスラエル支持者はイスラム共和国で重要な地位に就いている。 ハッサン・ナスラッラーを裏切ったのが イランの高官であったことは驚くことではない。 （宮崎正弘のコメント） かなり以前の話で恐縮ながら、イランの各地を廻った経験があり、英語が喋れるイラン人が多かったこと、 西側の情報をよく知っており宗教独裁政権には批判的だったこと、 町中に寄進箱が沢山設置されていたのですが、通行人が寄付する現場に遭遇したことがなく、 また闇ルートで酒は飲めたし、まったく別の顔があることを発見した旅でした。 「海外事情」 へ戻る |