　　　　　　偏見自在　　日本よカダフィ大佐に学べ　　高山正之　　　　　　　　「週刊新潮」　2010年12月～2012年1月
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　　　１．　黒死病の元凶はやっぱりあの国
　　　２．　「反基地」の裏で浪費される防衛予算
　　　３．　「表現の自由」は無制限ではない
　　　４．　日本は ”被虐待児心理” から抜け出せ
　　　５．　平気でウソを書く「害人記者クラブ」のルーツ
　　　６．　サダムフ・セインは信長の生まれ変わり
　　　７．　たかり屋国家のこすい手口
　　　８．　米国を知り、己を知らば、百戦危うからず
　　　９．　事業仕分けは公開処刑と変わらない
　　１０．　原発問題が長期化する本当の理由

　　１１．　朝日新聞がはしゃぐとロクなことはない
　　１２．　底意地の悪い「ニューヨーク・タイムズ」日本中傷の手口
　　１３．　新聞記者ならもっと勉強しろ
　　１４．　復興を妨げる真の悪者
　　１５．　百回言ってもウソはウソ
　　１６．　自衛隊と政治と裁判の醜い関係
　　１７．　ウソつき国家は壊し屋文化
　　１８．　日航機長は感動した
　　１９．　盗人がエラそうな事を言うな
　　２０．　カン違いリーダーが招く不幸

　　２１．　管はスターリンとここまで似ている
　　２２．　インド航空は世界一？
　　２３．　漁民と海、どちらを守るのが大切か
　　２４．　朝日の記事は「逆」に読むべし
　　２５．　アフガンに善意は届かない
　　２６．　米国人は大統領でも信用できない
　　２７．　被害者ヅラする米国が生んだ「テロ連鎖術」
　　２８．　”ニセモノ” 報道は朝日のお家芸
　　２９．　NHKは中国と変わらない
　　３０．　本当の英語力は喋りだけでは分からない

　　３１．　日本よ、カダフィ大佐に学べ
　　３２．　国士館よ、かっての校風に戻れ
　　３３．　オランダ人の卑劣
　　３４．　TPPが「第三の開国」とは笑わせる
　　３５．　歪んだ歴史を放置すると　　（インドネシアの例）
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　　　１．　黒死病の元凶はやっぱりあの国　　　　2010年12月30日

明治日本にやってきたイザベラ・バードは貧しい人々の振舞いを見るために三等車で旅をした。
そこで見たものは「人々の礼儀正しい態度、振舞いは美しかった。英国で見る振舞いに比べ何という違いだろう」（加瀬英明「徳の国富論」）
彼女は次に朝鮮に渡ってびっくりする。
「人々は藁屋根の下、地べたで暮らしていた。
首都ソウルの水路は屎尿と積滞物で黒く澱んで悪臭を漂わせ、日本のどんなみすぼらしい街にも劣っていた」
バードは次に北京に行く。
そこで見た中国人は「無作法で野蛮で下品で卑劣で、無知さ加減は筆舌に尽くせない。想像もできない不潔さのなかで生活している」。
中国は人の卑しさ、汚さでも朝鮮をしのいでいた。
そんな中国の世界的な汚さがパリのパスツール研究所のブラマン女史らの研究で学術的に裏付けられた。
女史は 14世紀マルセイユから欧州に広がり、総人口の三分の一を奪った黒死病の DNA を調査した。
黒死病はネズミにつくケオプス蚤が媒介するペスト菌が原因だ。
この病が流行ると無知な欧州人は魔女の仕業と騒いで「魔女の使い」とされる猫を皆殺しにした。
ためにネズミも蚤も繁殖し、黒死病は蔓延して死者の山を築いた。
女史らはペスト禍で死んだ人々が埋められた集団墓地を発掘し、骨や歯から見つけたペスト菌の遺伝子を調べた。
その結果、マルセイユに入ったペスト菌が南欧から北欧、さらに英国に渡った経路が確かめられた。
欧州では黒死病騒ぎのほか 6世紀に東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルでペストが大発生し、人口が半減している。
19世紀末にも香港から世界にペスト禍が広がり、特に米国で猛威を振るった。
これらも同じ手法でペスト菌の DNAを調べたところ、黒死病と同じ遺伝子が確認された。
三つの大流行の発生場所をそれぞれ遡って行くと、シルクロードに沿って中国に行きついた。
中国が世界に汚い病気を振り撒いていたという結果になった。
中国を発生源とするのは別にペストだけではない。香港A型インフルエンザもあるし、鳥インフルエンザも中国から香港に入って確認された。
死者も出た SARS も香港のマンションのトイレ配管が原因だった。
この騒動で香港衛生署長マーガレット・チャンが防疫不手際の廉で喚問されたが、
中国は後に彼女を世界保健機関（WHO）に「SARS防疫に辣腕」と偽りの推薦状をつけて売り込んだ。彼女は今や WHO事務局長サマだ。
中国人は今や WHOだけでなく、世界に溢れ出て騒ぎを惹き起こしている。
ある意味、現代のペスト禍ともいえる。

　　　２．　「反基地」の裏で浪費される防衛予算　　　　2011年1月13日

民間空港では滑走路周辺、特に飛行機の進入ルート周辺に規定より高いものがあることを絶対許さない。
岩国基地の前身は海軍航空隊基地だった。戦後は米軍が入り、目下は海上自衛隊と共有している。
ところが昭和30年代、対岸に石油コンビナートがつくられ、高い煙突が林立し始めた。
そんな違法が許されたのは、軍事施設は航空法が適用されない。おまけに後からきたコンビナートの方が危ないと言い出す。
かくて自衛隊機は低高度 Uターン進入という曲芸をやることになるが、これが結構の騒音を生む。
それを口実に地元市町村が騒ぎ、防音名目で四百億円をせびり、ついでに下水整備工事までやらせた。
たかりと危険と、この二つを解消するために防衛省は基地の沖合移転工事をやっている。総額三千億円。
それは本来、中国朝鮮など外敵防衛に使われるべきカネだった。
同じようなことが普天間でも起きていた。
朝日新聞によると基地の滑走路端からわずか「650メートル手前のビルに高さ40メートルの鉄塔が建てられた。
建てた男は「無線中継用に貸す」というが別に借主がいるわけでもない。
これで米軍機が引っ掛かって墜落し住民が百人も死ねば基地反対運動も盛り上がる。立派なテロ行為だ。
勿論基地反対の朝日新聞はそんなことはおくびにも出さず、「防衛省がカネを出して撤去した」と書く。
防衛省の貴重な予算が無駄に使われた。
この「滑走路前に鉄塔」作戦は実は成田でデビューした。
全共闘の指導で建てられたあの鉄塔は百メートルもあった。
誰かがここに来て指導したはずだが、それを探ってみて驚いた。
民主党が新設した内閣官房専門調査員に成田で暴れた連中が何人も潜り込み、高給を食んでいた。
あなたは、それでもまた民主党に投票しますか。

　　　３．　「表現の自由」は無制限ではない　　　　2011年1月20日

朝鮮半島の歴史はとても哀れで痛ましい。
ここに棲む民はオリジナル語を持っていた。
しかし中国の支配が強まると、オリジナル語はどんどん消え、ありがとうと言うのも漢字の「感謝」（カムサム）、
泣くのも「哀号」（アイゴー）と漢字で泣くようになった。
朝鮮古語はいま百八十語しか残っていない。
名前も言葉も漢字化されたところでモンゴルがやってくると、今度はモンゴル語が入ってきた。
李氏朝鮮を開いた李成桂は満州人だが、彼がのし上がったきっかけは倭寇との戦いだった。
筑波大教授の古田博司「珍本通読」によれば、その倭寇の将は
「年わずか十五、六。容貌端麗にして勇壮無比。白馬に乗り槍を舞わせて駆せて突く」。
15世紀、李朝 4代目の世宋が今のハングルを創り出した。
しかし何でも中国が一番、漢字が一番という事大主義がハングルを歴史の中に埋没させてしまった。
そして三度、ここに外来語が入って来る。日帝支配のときだ。
日本はハングルを蘇らせ、新しい言葉を通して文化を注ぎ込んだ。
いま朝鮮で遣われる「交渉」とか「停戦」などはこの時に入った。
発音は日本語に倣ったが、そのままではなかった。廬武鉉の廬が「ノ」になるように日本語の土方が「ノガタ」に変わる。
運動会のヨーイドンが「ヨイタン」に、沢庵が「ダカン」に変化する。
万葉集が成立した時代の朝鮮古語は二百語も残っていない。何万とある中国語でも「日本語の情感は表現できない」（石平）というのに、
万葉集を朝鮮語で読んで、卑歌に仕立てて喜ぶのは決していい趣味ではない。李寧熙「もう一つの万葉集」
問題は調べればそのいい加減さが分かるのに、こうした下品な本を儲かるから」出す本屋が日本には結構あるということだ。
因みに彼女の本は文藝春秋社刊で、発行者は豊田憲司とある。
昨今の少女向け漫画には李寧熙並みの下品な表現が溢れている。
東京都が見かねて規制に出たら本屋は「表現の自由に反する」の、「自主規制でいいじゃないか」と言い出した。
自主規制ができるならなぜしなかった。
それに儲かる時だけ表現の自由を言うのはおかしくないか。

　　　４．　日本は ”被虐待児心理” から抜け出せ　　　　2011年1月27日

妙に記憶に残る古い記事がある。社会部記者だった頃の話だ。
５歳くらいの子供が母親と同居する「おじさん」に折檻されぬいて死んだ。
この記事を覚えているのは自分を殺そうとする相手に子供が最後まですがっていった、それがどうしても解せなかったからだ。
それにやっと答が見つかった。ハーバード大教授のハーマンが「心的外傷と回復」で扱っている米国の被虐待児の行動にそれがあった。
彼女の描く米国の虐待は日本のそれが可愛く見えるほど凄ざましい。
我が子に陰茎を咥えさせる。嫌がれば殴り、ときに指を一本ずつ折る。
虐待が進み、殺される危険に常に晒されると子供たちは虐待者に「忠誠と服従を証明しようと積極的にいい子になろうとする」
ハーマンはまた権力者の恣（ほしいまま）に虐待され続けた子供は、虐待者が悪いと知っていながら、
世間に向かって虐待者をあたかも良い人のように言う「現実離れした嘘」を本気で言うようになる。
こうした被虐待児の心理は実は戦争にも当てはまるとハーマンは言う。
米国はフィリピンのサマール島で小隊が襲われると、米軍はその島と隣のレイテ島の島民数万人を皆殺しにした。
米軍は 4年間で 20万人を殺したと米上院公聴会に報告している。
ここまでやられたフィリピン人は抵抗を止め、米国に服従と忠誠を誓ってよき植民地人になっていった。
日本の敗戦後は米国の気に入るように偽りの証言をして BC級戦犯を大量に生みだした。
教科書は「米国は抑圧されたフィリピンに新たな希望と自由と文明を持ってきました。
我々にとって米国は民主主義そのものでした」と書き並べる。
ふとマッカーサーがクビになって帰る日の朝日新聞社説を思い出した。
「我々に民主主義のよさを教え、日本国民をこの明るい道へ親切に導いてくれたのはマ元帥であった」
日本もインパールで、硫黄島で、さらに東京空襲、広島、長崎とフィリピン人より苛酷な戦争を強いられた。
ということは、日本も米国に対し被虐待児心理を持っているということか。
大江健三郎 は「悪い日本軍は沖縄島民を集団自決させた」と米国にへつらってみせた。
あれはフィリピン人に近いのか、それとも弟を抑え込んで父に媚びる兄の心理に近いのか。
まぁ、どっちにしてもいじましい作家だ。
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　　　５．　平気でウソを書く「害人記者クラブ」のルーツ　　　　2011年2月3日

米国は敗戦日本に対してまず、米国将兵のための「慰安婦」を要求した。
命令に従って内務省警保局は各県警に施設と女の確保を通達し、末尾に「米兵は無教養で粗野、残忍」と付記した。
もしこうした性の防波堤を用意しなければ、彼らは一般民家を襲うのは必定、という意味だ。
それは杞憂ではなかった。マッカーサーが厚木に降り立った日、横須賀で民家に米兵が押し入り、主婦を犯した。
翌日は日比谷公園で米兵が通行中の車をカージャックした。車から引きずり下されたのは、池田勇人、前尾繁三郎ほかだった。
その翌日、房総で出征兵士の妻を米兵の集団が強姦し、同じ日横浜の野毛山で 24歳の女性が米兵に拉致され、彼らの宿舎で27人に暴行された。
いずれも鶴見俊輔「廃墟の中から」による。
同書には調達庁の調べとして占領期間中、毎年平均三百五十人の日本人が殺され、千人以上の婦女子が暴行されたとある。
鬼畜米英は誇張ではなかった。
そんな最中、シカゴ・サン紙特派員マーク・ゲインが日本に来た。
彼の「日本日記」によれば GHQにほど近くにプレスクラブが作られた。
彼の日記には当時の猖獗を極めた米兵の狼藉は一行も触れられていない。
十万人が殺された東京大空襲の焼け跡を眺め「六千人は死んだ」とある。これほど平然と嘘を書く記者を他に知らない。
彼は鳩山一郎が戦前、ヒットラーへの信頼を語ったことをネタに特派員仲間と鳩山査問会を開いた。
鳩山の政治生命を絶ったゲインらは乾杯する。
偽りに満ちた「日記」だが、ほんの一部、興味ある記述がある。
「ホイットニーが部下を集め「諸君に戦争放棄を謳った憲法を作ってもらう」と作業開始を命じた。
彼は新憲法を日本の誕生日の紀元節に日本政府に発表させ、その10日後のジョージ・ワシントンの誕生日、2月22日に公布させると言った」
この日程を決めたのは誕生日フェチのマッカーサーだった。
彼は A級戦犯の起訴を昭和天皇の誕生日にやらせ、彼らの処刑を今上天皇誕生日に執行させている。
マーク・ゲインに始まった外人記者会にはその後多くの特派員がやってきた。
ニューヨーク・タイムズのデビット・サンガーは小錦に人種偏見で横綱になれないと語らせた。
人種偏見とは黒人奴隷を使い、中国人苦力を焼き殺し、日系米人の子供を学校から締め出した米国人のための言葉だろうが。
その後のニコラス・クリストフは日本兵が人肉を食った大嘘を書いて追放され、
後任のハワード・ワレンチは在日朝鮮人の犯行を「紅毛碧眼の白人女性に欲情する日本人」の犯行とする禁じ手の人種ステレオタイプ化をやった。
嘘と誹謗しか書かない特派員が外人記者会のメンバーであり続けた。
お蔭で日本は内向し、世界の場末の落ち、東京特派員のポストも魅力を失っていった。
外人記者会の特派員は激減し、関係者は「あと数年で消滅」と泣きを入れるが、過去が過去だから日本人の同情はあまり期待しない方がいい。

　　　６．　サダムフ・セインは信長の生まれ変わり　　　　2011年2月10日

織田信長は生涯の半分を比叡山の僧兵や一向宗との争いに費やした。
彼は信徒を操って政治に口出しする宗教者を許せなかった。比叡山では全ての仏閣を燃やし、信徒数千人を皆殺しにした。
一向宗にも情け容赦はなかった。長島では二万人に火をかけ、越前では数万を殺した。
塩野七生はこの狂信者の皆殺しを「信長が日本人に与えた最大の贈り物」と評価している。
お蔭で日本では宗教者が分をわきまえ、日本だけは宗教戦争から無縁で来られた。
最も信長の後、秀吉も宣教師が日本人を奴隷に叩き売るのを知って伴天連追放令を出し、
家康も高山右近らキリシタン大名が神社仏閣を打ち壊すのを見てその狭量さに呆れてキリスト教を禁制にしている。
だから信長が出なかった中国では太平天国、義和団が暴れ回り、パレスチナでは今も同じ神を仰ぐユダヤ教徒とイスラム教徒が辛辣に対立を続ける。
コソボでは同じキリスト教のカソリックと東方正教会が夫々「神は我にあり」と言って殺し合った。
こんな愚かを繰り返しているうち、たまに信長と同じ思いを持つ者も出る。
イランのパーレビー国王もその一人で、彼はイスラムより穏健なバハイ教徒を重用して近代化を図った。
宗教は過激な方が強い。逆にホメイニ師にやられ、彼は追放され、ホメイニ師を支持したイラン人自身、酒も恋もご法度の戒律社会で呻吟している。
イラクのサダム・フセインはその点、ストレートの信長派で世俗政権を立ち上げて、イスラムを政治舞台から追い出した。
イスラム側は狂信者を差し向けて彼の暗殺を謀る。サダムは信長の如く振る舞って狂信者集団を圧殺した。
結果、宗教者は引っ込み、サダムはイスラム世界の真ん中にあって、女からチャドルを脱がせることに成功した。
イスラムのくびきを脱したイラクはすぐ中東の強国にのし上がった。
サダムはイスラムよりアラブ民族の団結を訴えた。その証に同じイスラム国家だが、民族の違うイランに戦争を仕掛けた。
イ・イ戦争は引き分けに終わったが、アラブ諸国は黙って石油を売っていればいいと思っていた米国は
妙な民族主義を鼓舞するサダムに不快感を示した。
米国は「サダムの圧政下にあるイラクの民を解放し、民主化を図る」名目でイラク戦争を起こした。
米国はサダムを捕らえるとイスラム勢力に彼を引き渡した。信長の身柄を一向宗に預けるようなものだ。
米国の後ろ盾を得た宗教勢力はいっぺんに復活し、シーア派だスンニ派だとまた殺し合いを始めた。
イラクについて朝日新聞は社説で「これからはイラク人自身が宗教を超えて力を合わせるしかない」と書く。
何をばかを言うか。
「宗教を超えていけなかった」からイラクは千年混迷してきた。やっとサダムが出たのにそれも潰した。
改めて信長の知恵を世界が学ぶときだ。

　　　７．　たかり屋国家のこすい手口

先の大戦では日本の陸海軍将兵２３０万人と広島市民など８０万人の民間人が殺された。
では敵の米側犠牲者はどれくらいか。
米側の犠牲者は純粋に軍人に限られるが、これがよく分からない。
米側の資料では、欧州戦線と合わせて約３０万人。うち対日戦は９万人ちょっとという数字がある。
一部の資料には米軍戦死者４１万とか５５万とかいう数字が出て来る。
米国は建国以来、両手足の指でも足りないくらい沢山の戦争をやってきた。
米国人同士で戦った南北戦争では６２万人。いかに好戦的な国民性かよく分かる。
戦後、米国は沖縄を米国領とした。
しかし 70年代、米国はベトナム戦争の戦費に加え未曽有の不況に見舞われ、ドルの金兌換を停止した。
そんな状況で 70万沖縄県民をただ食わせるのは大変だった。
狡い米国は日本に持ちかける。沖縄は戦略拠点だが、カネを出すなら県民は返してやろうか。
３億２千万ドル、約１千億円を出して日本は沖縄の施政権、つまり島民扶養義務を買った。
返還後も戦略拠点だから核も当然ある。それを黙っていてやるからと脅して基地経費を出させた。
たかり屋にまで落ちぶれた米国を見て、金丸信は「おもいやり予算」と皮肉をこめて命名した。
米国はその名が気に食わなかったが、鳩山が沖縄から出ていけとやった。
米国は怒って鳩山を青ざめさせた。後継の管はすぐおもねって「思いやり」をホスト・ネーション・サポートに改めた。
男妾養育費と読むのか。
性悪なのは中国だけじゃない。

　　　８．　米国を知り、己を知らば、百戦危うからず　　　　2011年3月10日

元外務次官の谷内正太郎が日本人の一部が感染している反米ナショナリズムを厳しく指弾している。
大体、日本は日露戦争に勝って驕り、中国大陸への野心に燃え、海軍軍縮では日本抑え込みに悲憤慷慨し、その驕りと反発で真珠湾に突き進んだ。
戦後は高度経済成長に驕って、庇護してくれた米国に反発して「戦前の大東亜共栄圏に似た空虚なアジア主義」に走る。
米国から離れて一体どうするのかと元次官は憂う。
歴史評価も一方的だ。
例えば日露戦争は白人の意味のない驕りを指摘し、同時に植民地の人々の世界観を大きく変えさせた。
中国をはじめベトナム、ビルマの若者を迎えて教育を与え、白人国家には人種平等を説いた。
それに対する白人国家の答えがワシントン軍縮会議だった。あれは軍縮にかこつけて日本を孤立させるのが狙いだった。
会議で米国は日本の保有艦比率を下げた上で、日英同盟の破棄を迫った。
日英同盟を維持するなら日３英５に対して米国はその和の８にすると。
幣原喜重郎はその脅しに屈して日英同盟破棄に同意した。「白人国家対日本」の構図が出来上がった瞬間だ。
孤立日本の味方になりそうなのが中国だった。日中が手を取ればまだ白人の傲慢に対抗できる。
日本は蒋介石などを教育し中国にまともな軍隊を作らせようとした。
しかし米国は一枚上だった。北清事変の賠償金で精華大を建て、日本に流れる留学生を顎脚つきで米国に向かわせた。
帰国した留学生を使って反日を煽らせ、ゆくゆくは日中を戦わせる狙いだった。
谷内の言う「中国大陸への野心」とは満州帝国を指すのだろうが、満州は中国人（漢族）のものじゃない。
それをさも中国のもののように仕立てて、日中相剋を謀ったのは米国の戦略だった。
日中離反の象徴、南京大虐殺の虚構にニューヨーク・タイムズ特派員が絡んでいたのもそういう事情からだ。
矢内論文は、戦後の日本は米国の庇護下で経済成長に邁進できたと書く。
庇護とはよく言う。
米国は日本の交戦権を否定する憲法を押し付け、「日本の占領を継続」というべきところだろう。
大体日本の経済成長は米国には誤算だった。
工業国・日本をどう潰すか賠償使節団長のポーレーの台詞がマーク・ゲインの「にっぽん日記」にある。
マッカーサーも「組合を強くして日本の国際競争力を奪う」と語っている。
彼はまた日本に贖罪意識を刷り込み、その償いに厄介な在日を百万も背負い込ませて、再起の足を引っ張らせた。
そういうハンディを乗り越えての経済成長だった。
矢内論文には米国のそうした思惑は一切触れられていない。
米国が中国を操ってきた歴史などは丸ごと抜け落ちている。
中国は先の戦争では米国の思惑に従って、泥沼の消耗を強いた。蒋介石は米国にとって出来過ぎの下僕だった。
だから褒美に蒋介石は満州も台湾も貰った。
戦後も米中の主従関係は続く。両国には奴隷を使って国家経営をするという共通性があった。
いま米国はウォルマートの雑貨を中国の奴隷工場で作らせ、その代価を奴隷監督の北京に払っている。
お蔭で強くなった中国は米国のパートナーに昇格したかのように振る舞う。
その傲慢さは傍目からは米国と中国が双子に見えるはずだ。
だから中国は危ない。
要は親米か反米かでなく、米国が何を考えているかを知ることだ。
知れば嫌いにはなるけれど。

　　　９．　事業仕分けは公開処刑と変わらない　　　　2011年3月24日

中国の素顔を伝える涌泉克夫教授のシリーズ「知道中国」は今回、中国の残酷刑を報告していた。
死刑囚をうつぶせにして、首から肛門までナイフを入れ、皮膚を剥がしていく。終わると裏返して両手を切り落とす。
こうした残酷刑は「臣民を畏敬させ社会秩序を維持させるため」（王水貫「酷刑」）だから、すべて公開処刑となる。
中国の極刑は「太夫（役人）に及ばず」（礼記）が原則だが、北宋の太祖が汚職官吏にも適用するよう方針を改めた。
それで収賄や横領をやった役人は両手を切り落とされたうえで、三日間、晒されてから斬首された。
日本にこの種の役人が登場したのは明治期の高等文官試験からだ。
日本の役人は為政者が「民のかまどを賑わせる」施策を考え、実行する時の手足と考えられた。
だから安倍政権当時、社保庁の役人が年金基金を１兆４千億円も使い込んで、私腹を肥やしていたことが判明すると、首相は国民に詫びた。
朝日新聞記者が沖縄の珊瑚を傷つけて「今どきの日本人」のせいにした。
一柳社長がこの不祥事を詫びたが、それと同じことだ。
一柳は問題の記者をクビにしたが、社保庁の場合は狡猾で、逆に「首相のクビを」取りにでた。
手助けををしたのは一柳の敵討ちに燃え「朝日」だった。
そして朝日の目論んだ民主党政権が誕生すると、この「社長と部下」の形が微妙に変わってきた。
象徴が事業仕分けだ。
政権が自分の部下の不行跡を糺し、貧官汚吏を罰するのは当然だ。ところが民主党政権はそれを公開にした。
中国の皇帝と同じに「臣民を畏敬させる」ための公開に似ている。
それ連想をさらに強めたのが公開処刑役に中国人の血を引く蓮舫が当たったことだ。
実際、彼女の発想も中国風で、まず取り上げたのが世界一を目指すスパコン。
社保庁の無駄遣いの十分の一以下の予算なのに「別に世界で一番にならなくてもいい」と切り捨てた。
小惑星イトカワをけなげに往復した「はやぶさ」の後継機の予算もこの中国系議員は同じ理由でカットを主張した。
自衛隊も中国に脅威と思われたくないから「増員はまかりならぬ」「装備も近代化する必要はない」でこれも切った。
事業仕分けは国家を私物化し、民のかまどなど考えもしない中国の皇帝の考え方とそっくりだった。
こういう皇帝気取りの政権が過去にあった。
二昔前の村山富市政権がそれで、あの時は阪神地方を大震災が見舞って、民は愚かな為政者と震災という二重の苦痛に喘いだ。
今回の管政権では東北地方を大震災が見舞った。
単なる偶然とも思えない。
罪深い政権はもうこれきりにしろという暗示が。
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　　１０．　原発問題が長期化する本当の理由　　　　2011年3月31日

明治維新、日本政府は知識をもった外国の先生を高いカネを出して招いた。
お雇い外国人は三千人を数え、彼らから学んだ日本人はすぐ鉄道を走らせ、ガス灯を灯し、火力発電所をつくった。
ただ素直な日本人ばかりじゃあなかった。
陸軍のトップに納まった山縣有朋は、メッケルが軍刀に相応しいと勧めた日本刀を拒否した。
山縣は身分の低い小者出身で、武士の通う剣道場にも行けなかった。
その恨みから、政権を取ると武士をすべての役職から解雇し、お城も取り壊すよう命じた。
その憎い武士の魂が日本刀だ。それをなんでオレの陸軍の軍刀にするのか。
メッケルは呆れ、でもよく切れる日本刀をドイツに持ち帰り、切れる秘密を研究した今のゾーリンゲンが生まれた。
オットマン・モールは明治天皇の宮廷顧問として招かれたが、伊藤博文と度々衝突した。
例えば外交の舞台となる宮殿。モールは京都御所を見て、その精緻で優雅な建築に度肝を抜かれる。
何よりもそれが煉瓦造りの洋風の建物より「地震に強い」ことも知る。
それで和風宮殿を勧めたが、伊藤は欧風に固執して最後まで譲らなかった。
伊藤との最も大きな衝突は宮中衣装で、モールはここでも伝統の和式を勧めたが、伊藤は「洋風を貴て初めて欧米と対等になる」と拒否した。
ベルツ水のベルツもコルセットは日本女性には向かないと医学的な立場から説得したが、伊藤は頑として受け入れなかった。
実は伊藤も山縣と同じに足軽上がりだった。
武士は着流しで歩けても、足軽は尻端折りが決まりだった。着物と聞くと伊藤はあの尻と褌を晒したみっともない姿を思い出す。
彼の洋服へのこだわりには、そういう過去があった。
戦後、資源小国の日本は原子力発電を軸にするエネルギー政策を採った。
東電は先進の米 GE社の沸騰水型軽水炉を採用、GEの設計と指導で福島にまず四基を設置した。
GE社製はいろいろ問題があり、日本側はそれを独自に改良し、柏崎には日本製の原子炉が置かれた。
中越沖地震では今回の東日本大震災を超える揺れが原発を見舞った。
GE社のオリジナルではとても耐えられなかった衝撃だが、日本印は涼しい顔でしのいだ。
しかし今回はその GEオリジナル版が津波を食った。
GE特有の構造がシステム回復の妨げになっているとも言われるが、日本側はそれを語らない。よその国のせいにしない日本人の品格だ。
ただ朝日新聞は違った。
「炉にはもとはガス抜き弁がなかった」欠陥品と書く。
東電の「甘い想定」と詰ったつもりらしいが、実はその東電が GEの忘れたガス抜き弁を後からつけていた。
そういういい話は書かない。
ただヒトを詰るという悪趣味がいやだ。

　　１１．　朝日新聞がはしゃぐとロクなことはない　　　　2011年4月7日

東電の福島原発は昭和40年に着工が決まった。
その前年、東京でオリンピックが開かれた。新幹線が開通し、首都高も東名も出来上がった。
何もない焼け野原から復興し、新しいスタートを切った日本。
明るい明日の構図には胸を張った原子力機関も並んでいた。
こちらは当時、駆け出し記者だった。
水底に青白く燃える火はとてつもなく美しく見えた。
隣の建屋には洗濯機のドラムみたいなのがいくつも並んでいた。
フッ化ウランを入れて回転させ、U238よりちょっと質量の軽い U235を抽出していく遠心分離式の濃縮システムだ。
0.7％程度の U235を 3%くらいまで濃縮すれば原発で燃やす燃料になる。極限まで濃縮すれば原爆になる。
先日、北朝鮮がさも自慢そうに米国人学者に見せた濃縮プラントと同じ。日本ではそれを40年前にさりげなく作っていた。
原研の隣に原電のコールダーホール式原発があった。
東電はこの年に米 GE社製原子炉を導入して福島に建てた。
「昭和40年」はまた第一次安保と第二次安保のちょうど真ん中でもあった。
ベ平連が暴れ、総評が乗っかり、原子力空母エンタープライズの寄港阻止から新宿騒乱、東大安田講堂攻防戦へとつながっていく。
新宿騒乱はたるんだ国労運転士が新宿駅構内でタンク車に追突、大炎上した事故がきっかけだった。
タンクの中身は米軍のジェット燃料だったことに目をつけた朝日新聞が反基地と反戦を煽りに煽った。
「北朝鮮は地上の楽園」と書いた同紙記者の岩垂弘はこの時も「危険なジェット燃料が首都を縦断」とやった。
ジェット燃料はただの灯油のこと。生涯を嘘とデマで暮らした珍しい記者だ。
そんな彼のアジに乗って反日を叫んでいたのが、社青同系の仙谷や菅だった。
しかし嘘とデマで革命はできない。
彼らは目標を失い、暇つぶしに内ゲバや総括で殺し合いをやっていた。
それで朝日が反基地と成田と反核を標的に与えた。
成田では全共闘が農家に入り込んで、ついには第四インターが管制塔を壊した。
反核では最初の目標に原子力船「むつ」を置き、試験航行中に放射能漏れが見つかると帰港を阻止させた。
ために「むつ」は船員ごと 16年間も漂流させられた。
朝日は高速増殖炉「もんじゅ」の漏出事故でも大騒ぎして、担当者を吊るし上げて自殺に追い込んだ。
全共闘崩れはこの朝日の指針で食いつなぎ、ついには政権まで取った。
鳩山が基地撤去を言い出したのは馬鹿な思いつきではなく、そういう過去があってのことだ。
東電の記者会見では「もんじゅ」を引き合いに「今度は誰が自殺するのか」と信じられない言葉を投げ、
朝日の尾木和晴は「放射能がくる」と社会不安を煽る。
彼らがはしゃぐ分、日本は暗くなっていく。

　　１２．　底意地の悪い「ニューヨーク・タイムズ」日本中傷の手口

ニューヨーク・タイムズは、朝日新聞本社に支局を置いているせいだけではないと思うけど、日本にはあまり好意的ではない。
だから中国に関心が移るとさっさと日本を捨てていった。東京支局長のポストは空席のまま、
今は東京でフリーターをやっていたファクラーに記事を書かせている。
ただ「嘘でもいいから日本の悪口を描き続けろ」という編集方針はきっちり申し送られた。
小泉首相が靖国参拝をして精神的苦痛を受けたという社民系団体の賠償請求訴訟の控訴審。
大阪高裁判事の大谷正治は原告のアホな訴えを却下したものの、例の「傍論」を使って「首相の参拝は違憲」とやった。
こんな卑劣漢がいるから民事も陪審員制度にと言う声も出て来る。
この原告の言い分却下の裁判をファクラーは「残虐行為を働いた日本軍兵士を祀る靖国参拝に違憲判決」と書いた。
判決と傍論を故意に取り違えたのだ。
さらに京大教授の中西寛に「これで人々は勇気をもって首相の靖国参拝反対を言える」と語らせる。
ファクラーは今回の大震災でも二本誹謗をやめなかった。
津波の被害をもろに受けた伝統捕鯨の地、鮎川浜の壊滅的惨状をルポし
「欧米の環境保護団体ができなかった捕鯨阻止を津波がとうとう成し遂げた」と書く。
ファクラーは知らないだろうが、鮎川浜はメルヴィルの「白鯨」が棲んでいた海だ。
米捕鯨船団は太平洋を越え、日本の海まで鯨を捕りにきた。
捕まえた鯨は生きたまま舷側に吊るして、オレンジの皮のように皮下脂肪の層を剥ぎ取って丸裸にして海に捨てた。
その伝統は今もセントローレンス湾のアザラシ狩りに生き続ける。
インディアンを虐殺し黒人奴隷を使いながら「自らを道徳的高みに置いて他者を偉そうに批判する」と英国人歴史家 C・メーソンも書いた
偽善者米国人の典型がこのファクラーだ。
しかしニューヨーク・タイムズは小賢しい。そういう批判が出てこないよう、好意的なコラムも同時に載せる。
ただそれを日本中傷では定評のあった元東京支局長クリストフにやらせたからややこしい。
彼は「日本から学ぶ」と題して危険な福島原発にとどまる人々の自己犠牲の姿に驚嘆し、震災の下でも威厳と優雅さを失わない日本人を
その正反対の日本政府と対比する。
クリストフは日本人のこの高い倫理観は「幼児からの教育に根ざしている」ことを息子の通った小学校で知る。
「担任の先生が休んでも子供たちは自主的にその代役を務めた」息子の誕生会の時彼は「椅子鳥ゲームを子供たちに教えたが、
彼ら、とくに女児は他人を押しのけてまで椅子を取ろうとしなかった。ゲームにならなかった」と書く。
いい話だが、彼は東京支局長時代にこの話を書いている。ただマナーの良さを書いたのじゃない。
「日本の女は何の権利も持たない。拳骨しか与えないような夫にも黙ってかしづく。
椅子取りゲームでも女児は常に男である息子に勝を譲った」
ニューヨーク・タイムズの嫌味なテクニックが見えてくる。

　　１３．　新聞記者ならもっと勉強しろ　　　　2011年4月21日

大阪空港に着陸した YS11が滑走路を飛び出し、タクシーウエー (Taxiway) に突っ込んだ。乗客乗員に怪我はなかった。
毎日新聞はこれを「YS機、タクシー専用道路に突っ込む」と報じた。タクシーウェーは誘導路のこと。
毎日はご丁寧に事故当時「タクシーは走っていなかった、巻き添え事故は避けられた」と書いた。
エジプト航空がニューヨークを離陸後、まもなく大西洋に突っ込んだ。
副操縦士が乗客乗員 200余人を道連れにした、あちら版の片桐機長事件だった。特異なのは遺体がほとんど回収できなかったことだ。
そんな中、NHKが「18遺体を確認」とやった。勤務明けの乗務員が平服で客席に坐って帰るのを Deadhead という。
それが18人。 NHKは18個の「死に首」が上がったと思い込んだのだ。
報道にも専門知識が必要な時代だ。生半可では「恥を書く」ことになる。
その意味で出色だったのが、朝日新聞の原発専門編集委員、竹内啓二の記事だ。
彼は福島原発1号機の爆発を受けた紙面で、実はあの原発の建設時には「格納容器にガス放出弁はなかった」と書いている。
なぜなら「日本では炉心溶融が起こらない」という慢心があったためで、でも「海外の動きに押されて放出弁を導入した。
その弁が今は最悪の事態を回避する命綱になった」。
弁なしでいこうとは「当初の事故想定がいかに甘かったか」とその杜撰さを指弾した。
これを根拠にテレビの生半可コメンテイターどもが東電・悪者論の大合唱を始めている。
しかし福島原発は米国 GE社製だ。すべてブラックボックスの中だった。日本が実力をつけ、改めて調べたら放出弁もない。
それで東電と国内メーカーが独自判断で取り付けた。
いい加減な嘘を並べて世間を騒がせ、東電叩きを煽る。いい趣味ではない。
今回の震災にはもう一つ別な意味で恥ずかしい記事があった。
岩手、宮城の震災被害者が現地で苦しんでいる中、いち早く首都圏に避難してきた福島県民だ。
避難先で天皇陛下のご訪問を受けたいわきの市民何人かは跪坐される陛下に胡座で応じた。
地元の一部は東電交付金に加え、町財政の 9割を東電に負担させ、さらに原発で使う備品は鉛筆一本まで地元の業者が独占納入してきた。
そんな関係にありながら、そして未曽有の震災と知りながら、口を開けば、さあどうしてくれる。
CNNが言った礼節と威厳はここにはない。

　　１４．　復興を妨げる真の悪者　　　　2011年4月28日

先の戦争で米国は２発の核爆弾を落とし、東京を含むほとんどの都市を焼け野原にした。
空襲による死者は数十万人に及んだ。
人々はそこから復興の歩みを始めた。がその足を引っ張る者がいた。
一つは米国だった。
日本の復興の足掛かりとなる工業力を「お前らには過分すぎる。鍋釜を作ればいい」とポーレー賠償使節団長が決めた。
それで多くの工場が潰され、機械類は中国、朝鮮に運び込まれた。
GHQのマッカーサーも航空工業の全廃を命じ、飛行機の運行も製造、研究も止めた。
彼は憲法も勝手に作り変え、彼の部下は馬鹿な日本人にはローマ字がいいと表記を変えさせようとした。
労働担当の28歳のベッカーは来日してすぐ奴隷解放を命じたが、日本には黒人奴隷も苦力もいなかった。
彼らの馬鹿な思いつきの度に日本人は復興の手を休め、付き合わされた。
ベッカーは「失業者を酔い潰し、気が付いたら北海道行きの列車の中」という人狩りの実態を報告（「マッカーサーの日本」）している。
それって米国が昔やった苦力狩りの手法ではないか。
上海や広東で中国人を酔い潰して奴隷船に放り込む。現に Shanghai (攫う）という動詞もある。
復興の妨げの二つ目が ”戦勝国民” の朝鮮、台湾人だ。
彼らは鉄道も専用車両を出させ、出発が遅れたと言っては国鉄職員を袋叩きにした。
東鉄局長の下山定則も台湾人の集団暴行され睾丸破裂の重傷を負った。
後の下山事件のおり、古畑種基がこの古傷を「新しい傷」と鑑定して死後轢断の根拠にして、
松本清張が米軍陰謀説なんて与太を飛ばす元となった。
朝鮮人は駅前の一等地を不法占拠し、パチンコ屋を建て、復興のための都市計画をぶち壊した。
ただ神戸だけは違った。 ”戦勝国民” に手が出せない警察にかわって山口組が登場した。
「三宮駅前を占拠した台湾人を拳銃と日本刀で追い立て」たり、警察署を襲撃する朝鮮人に「手榴弾を投げ込み、抜刀隊が斬り込んで」
（「田岡一雄自伝」）日本に危機を救った。
そして最も復興を阻んだのが実は政府だった。
運輸省は GHQにひたすら陳情を繰り返し、廃止が決まった改札制度を復活させた。一体それに何の意味があったのか。
警察は米兵や ”戦勝国民” 犯罪は放ったらかし。後藤田正晴の下で警察の組合づくりに専念した。
それでも朝鮮人が闇米を仕切り出すと経済警察を出動させた。結果は朝鮮人に逆襲され、敗退した。
その事件以降、経済警察は日本人のみを狙った。
着物や骨董品を百姓に買い叩かれながら、やっと手にしたコメを待ち伏せして押収し、自分たちで分配した。
米国は、家畜飼料を日本向けに食糧援助として無償供与した。大蔵官僚はそれを有料で払い下げて収益は官僚たちで山分けした。
米国も後に、あれは有償にするといって５億ドルももっていった。
みんな日本人を食いものにしたが、それでも日本人は復興を果たした。
今回の復興では、かって障害だった米国も台湾、韓国も協力してくれた。
ただ政府はいけなかった。
在日から違法献金を受けた管はこのどさくさを利用してとぼけきり、反自衛隊の辻本を返り咲かせ、
まともな日本人なら大嫌いな五百旗頭まで担ぎ出す。
国民に喧嘩を売っているような人事だ。
天下の大事、どんなに嫌いでも管の下に結束をという高邁な意見はよく聞く。
しかし前は国を当てにせず復興した。
管など当てにしたら、末代までの恥になる。
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　　１５．　百回言ってもウソはウソ　　　　2011年5月5日

ゲッベルスは小児麻痺の後遺症で背は 150㎝と低く、跛行も残った。
しかし頭の回転は速く弁舌もたけて、それでナチの宣伝相にまで上りつめた。
彼はその舌先で国を操り、国民を踊らせ、ホロコーストの惨劇まで実行させた。
彼はその極意について、「嘘をつくなら大嘘がいい。言い出したら徹底して嘘をつき通すがいい。嘘はいつの間にか真実になる」と語っている。
後に簡略化され「嘘でも百回言えば本当になる」につづまったが、これを実践したのが江沢民だった。
彼は天安門事件直後に党総書記に就任した。
あの事件で中国は総スカンを食い、おまけに共産党仲間のソ連も東欧も消滅して政治的だけではなく経済的にも窮地に立った。
彼はそれで日本に接近し、天皇皇后両陛下の中国ご訪問を実現させた。
これで中国懲罰の一角が崩れると、江沢民は掌返しで南京大虐殺の嘘を百篇言い立てた。
これに朝日が加わり、嘘は二百篇にも膨れ上がった。
かくて江沢民は ODA三兆円をせしめ、国家経済を立て直すのに成功した。
彼はこれが自慢で「日本には歴史問題を繰り返せ」（「江沢民文選」）、そうすればいくらでもカネが入ると教示している。
しかしそんな江沢民でも嘘の大きさ、執念深さでは米国に及ばない。
この国は忌まわしいインディアン虐殺まで「フロンティア精神」とか美し気に言って世界を騙してきた。
「嘘で国家再建」もフランクリン・ルーズベルトがやっている。
彼はニューディール政策に失敗し、「見捨てられた指導者」（ルーティンバーグ「ローズヴェルト」）だった時期、
経済再建の解決策として白人国家の敵、日本との戦争を企てた。
彼はまず蒋介石を白人国家側に寝返らせて「中国を侵略する日本」像を創り上げ、それを百回言って真実に仕立て、経済封鎖をやり、
国際機関から追い出し、真珠湾を実現させた。
あの戦争で株価は戦争前の水準に回復し、米国は大国に伸し上がった。
米国の凄いところは戦後も、「日本は疫病」政策を続けていることだ。
最近でも三菱自工のセクハラ騒ぎを創り「日本の女に人権はない」と百篇唱え、
次にマイク・ホンダは「日本軍はアジア女性20万人を性の奴隷にした」を百篇。
運輸長官ラフォードはトヨタは欠陥車と百篇。
それが嘘だとバレると次にローラ・ヒレンブランドの「 Unkroken 」を持ち出してきた。
ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーリストで 6週連続トップとなった本の内容は日本兵の米国人虐待の告発だ。
ハイライトは日本兵が「ベルトを鞭のようにしならせバックルで捕虜の顔を殴り気絶させる」シーン。
実在の人物の体験と称するが、日本兵の軍袴（ズボン）は紐で締める。
戦闘時にはベルトはするが、それもズック製でバックルは針金みたいなものだ。
鞭のようにはしならない。嘘くさい捕虜生活は日本の降伏で終わる。
解放された捕虜は列車で広島を通る。
１４万人が焼き殺された広島は何もない焼け野原だったが、捕虜はそれを「清々しい美しさ」だと言う。
悪い日本に相応しい懲らしめだと。
そして「広島には三度も原爆を落すと警告があった。無視した日本人が悪いのだ」と続く。
東京裁判のオランダ人判事レーリンクは 500年後に宛てたタイムカプセルに入れる広島原発の記録映画を観た。
映画では「米国が事前に広島市民に原爆投下を警告したと三度も強調していた。大嘘だ。事前警告はなかった。
米国の残虐行為について 500年後の人々を騙すための嘘が封じ込められた」と著書にある。
米国では一介の小説家もこまめに歴史的嘘を創る。
この本が日本で大して宣伝されなかったのは、今度の大震災にもろ当たったためだ。
今ヒロシマの嘘はまずいと思ったか。
嘘もタイミングが大事なようだ。

　　１６．　自衛隊と政治と裁判の醜い関係　　　　2011年5月26日

真夜中のロサンゼルスで興奮剤を呑んで暴走した黒人が刃向うので、それを叩いて捕らえた警官の映像が流れて、
人種差別だと騒がれて警官たちを裁判にかけた。
この時米国は親父ブッシュの再選をかけた大統領選のさ中だった。
事実はとも角、黒人票を逃す。親父は連邦裁判所に裁判をやり直して白人警官を有罪にしろと命じた。
米国は欧州が宗教改革で騒いでいた頃移ってきた連中で造られた国だ。
だから意識は中世のまま。奴隷制に疑問も持たず、黒人を買い込み、欧州で廃れた魔女狩りもここでは18世紀まで流行った。
三権分立もあやふや、大統領が命じれば一時不再審も消し飛んで、同じ罪で裁判が公然と行われてきた。
かくて白人警官は連邦法で有罪にされた。
この頃、ロサンゼルスに居て米国の後進性を笑ったものだが、同じ年、日本でもっとみっともない裁判があった。
東京湾で海自の潜水艦「なだしお」が釣り船とぶつかった事故に裁判だ。
自衛艦は軍艦ではないというのが朝日新聞辺りの主張で、だから一般の船と同じに扱われた。
「なだしお」はその蔑みにも堪え、この時も右からきた釣り船に道を譲った。 2千トンの潜水艦が 150トンの船のために右回頭したのだ。
ところが釣り船がまさかの左回頭をした。航行ルールを破って衝突した。釣り船の一方的な過失だ。
しかし横浜地裁の杉山忠雄は事実とは逆に自衛艦の過失だと断じた。
彼は四方修習時代、朝日新聞で研修した。それで朝日に迎合する生き方と学んだ。
今どき自衛隊に味方したら変人扱いされる。出世にも響くというのが彼の心情だろう。
実際、朝日の主張通りあの沖縄・慶良間の守備隊長が住民に集団自決を命じたと大嘘を書いた大江健三郎を最高裁は無罪にした。
旧日本軍も自衛隊も悪とする朝日の歴史観が司法も侵していた。
その「なだしお」事故から20年。今度は房総沖で 5000トンの護衛艦「あたご」が 7トンの漁船にぶつかって漁師親子が死んだ。
護衛艦は自転車ほどの速度で航行していた。漁船は仲間の無線にも沈黙したまま艦にぶつかっていった。
自動操舵にして居眠りしていたと推測された。
しかし朝日は端から「自衛艦が悪い」論調で、編集委員の早野透は「漁船を沈めてなにが国防だ」と下品な悪態をつき続けた。
裁判はまた横浜地裁がやったが、判決は「むしろ漁船に回避義務があり自衛艦に落ち度はない」というごくまともなものだった。
大江無罪のすぐ後だ。司法がまともになったと俄かには思えない。
震災復興に尽力する自衛隊を怒らせるなと仙谷が命じたのか。
背景は気色悪いが、久し振りにいい判決だった。

　　１７．　ウソつき国家は壊し屋文化　　　　2011年6月2日

満州を旅した帰りに北京に立ち寄った。
ホテルでニュース番組を探していたら、中国版「お宝鑑定団」みたいな番組をやっていた。テレビ局は国営中央電視台（CCTV)。
この共産主義国家の宣伝部門は渋谷のNHK社屋の中に東京支局を置く。
寄宿するスペースから中国人スタッフの面倒まで NHKがみな負担しているという話だ。
視聴料をそういう他国の国家機関のために使う許可を与えた覚えも、NHKにすべて任せますという委任状を書いた記憶もない。
それに結構悪意のある国の出先機関を同居させれば、NHKのいう公正な報道も侵されそうな気がする。
今度の３．１１大震災に寄せられた義援金の報道もおかしかった。
３兆円もの ODAを貰いながら北京政府はたった３億円と毛布 2千枚をよこしただけだが、
NHK は台湾からの義援金１５０億円と合わせて「計153億円が北京から贈られました」風に報道していた。
中国に都合よく改竄したのは、明らかに CCTVからの干渉のせいだ。
この機関が日本のテレビ報道を監視していて、「これ真似するある」となって登場したのだろう。
鑑定品の壺を鑑定家が贋物ということだろう、にわかに ?杖を振り下ろして壺を砕いた。爆笑と喝采に会場は包まれる。
日本では贋だとしても中島誠之助が「残念ですねぇ、でも形はいい。一輪挿しにして飾ったらよろしいんじゃないですか」とやる。
しかし中国は違う。文革の時、毛沢東は大学生と高校生を呼び集め、顎足つきで全国行脚させて文化財をぶち壊させた。
彼らは嬉々として破壊を楽しんだ。
ハンチントンは「文明の衝突」でその中国と朝鮮をひとくくりにしている。
そういえば李氏朝鮮は開国を唱えた金玉均を殺したうえ、その遺体を切り刻んで首と手足を全国各地に晒した。壊し屋文化つながりということか。
その昔「日支協力して西夷を討たん」（日清戦争の北洋艦隊司令官、丁汝昌）と約束しながら、結局、中国は臆病風に吹かれ英米に寝返った。
中国が壊して喜ぶのは壺だけじゃない。

　　１８．　日航機長は感動した　　　　2011年6月9日

一昔前になる。熊本県水俣市で鉄砲水が出て19人が死んだ。
それを伝える共同通信の記事は「もっと探して」の見出しで「もっとその辺を捜せと言ったのに」と
県知事に不満を訴える被災者の言葉を取り上げていた。
添えられた写真は横隊で泥沼の中を遺体捜査に当たる自衛隊員を手前から女性二人が手持ち無沙汰にしゃがんで見つめている写真だ。
身内が埋もれているなら自分たちで探すのが家族というものだ。少なくとも日本人はそうしてきた。
そこに災害派遣の自衛隊員が来てくれた。語る言葉はまず「有難う」だろう。そして一緒に泥沼を懸命に捜す。
朝日新聞と共に共同が常々張ってきた自衛隊軽視キャンペーンはこうした一般記事にも盛られ、
その効果が人々の心に浸透させて行った様に思える。
それが端的に出たのが今回の３・１１大震災だ。
新聞には毎日、震災死者数と行方不明者の数が載る。死者数は増えていくのは、遺体が新たに発見されるからだ。
だれが発見するのか。被災者の身内の中には「外は臭くて」（朝日新聞）と一日中避難所に籠ったままの者もいた。
泥沼を、そして渦巻く波の打ち寄せる海岸を捜査しているのは自衛隊員で、彼らは 2ヶ月以上休暇なしの連続勤務に耐え、
風呂も被災者に譲って汚れた体のまま雑魚寝を続ける。
共同の主張は被災地に根付いていた。
自衛隊軽視論は官僚世界にも根を張っていた。
90年代半ば、ルワンダ内戦で難民が出ると外務省はその救済に自衛隊派遣を言い立てた。
難民キャンプにもゲリラが出没する。危険千万で、内戦に責任のある欧米諸国も尻込みしていた。
で。米国は安保常任理事国入りを餌に日本に派遣を要請してきた。
外務省は悦び、派遣部隊に被害が出ればより外交効果があると読んで、装備は小銃の他機関銃一丁とほとんど丸腰で送り出した。
自衛隊はそんな悪条件下でも任期を無事勤めあげた上、武装ゲリラに襲われた NGOの日本人医師の救出もやってのけた。
外務省は期待外れだった。お前らは死ねばいいのに、なに勝手をやるのか。
共同も朝日新聞も自国民救出など自衛隊の越権行動だと非難した。
期待に背いたことへの報復は陰険だった。
任務終了後、帰国には民間機を利用し、その際は征服の着用は仰々しいので認めない。各自私服で帰れと。
誰もましな着替えなど持っていない。年の押し詰まった12月27日、ロンドンから日航機に搭乗した時、周囲の乗客はひどい身なりの集団に驚いた。
それが異郷の地で頑張り抜いた自衛隊と知るのは、機が公海上に出てからの機長のアナウンスでだった。
「この度は任務を終え帰国される自衛隊の皆さま、お国のために誠に有難うございました。
国民になり代わり機長より厚く御礼を申し上げます。当機は一路日本に向かっております。皆さま故国でよいお年を迎えられますよう」
異形の集団を包むように客席から拍手が沸き、その輪がやがて機内一杯に広がって行った。
機長は乗客リストを見て自衛隊員の帰国を知り「日本人として当然のことをしたまで」と語る。
成田に着いた後、65人の隊員はコクピットの見える通路に整列し機長に向かって敬礼した。
被災地はともかく、日本人はまだまだ一杯いる。

　　１９．　盗人がエラそうな事を言うな　　　　2011年6月16日

乞食は托鉢が原義で、食べ物を乞うという意味だが、日本の乞食は銭を乞うと15世紀の朝鮮通信使が驚きをもって記録している。
朝鮮はまだ物々交換の時代で、貨幣や商いなど知らなかったからだ。
彼らは銀メッキや紙漉きの技術、とくに田に水を引く水車の製法を持ち帰ることが使命だった。ある意味で知的窃盗団だった。
日本は盗まれなくとも技術は喜んで教えた。水車は模型まで作ってやったが、彼らには難し過ぎたのか普及はしなかった。
朝鮮通信使は暫く中断の後、江戸時代に再開された。 18世紀に大阪にきた金仁謙は自国が藁葺きなのに「日本はすべて瓦屋根」に驚き、
「中国の伝説に言う楽園は大阪のことだった。漢城（今のソウル）の一万倍の素晴らしさだ。恨めしい」と嫉妬を込めて記録している。
この頃、彼らは饗応の宴に出された蒔絵の塗り膳や床の間の陶磁器から夜具まで片っ端から盗んでいった。
見かねた新井白石は通信使の接遇を簡素化し、宴にいい器を出すのを禁じた。
何でも持っていくソウルが今頃になって「日本が奪った王朝儀軌を返せ」と言い出した。
李氏朝鮮時代の歴史書だが、日本が持っているのはその写本だ。
同じ李朝の王様が作った諺文（おんもん）も忘れ、日本が複製してやった。「儀軌」も同じ。案の定、彼らは原本を散逸してしまった。
日韓基本条約ではお互い文化財も含む請求権を放棄しているが、ここは例の如くというか因縁付けてゴネルという竹島方式で出てきた。
そこに管が出てきた。
友人が 孫正義。股肱の臣があちらの帰化人という陣立てだから、あっさり「儀軌」写本を返しますと約束してしまった。
日本からの返還要求はなし。
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　　２０．　カン違いリーダーが招く不幸

ユダヤがユダヤ教で団結したように、アラブはイスラム教を戴いて勢力を拡大し、誕生から30年目に中東の雄ササン朝ペルシャを倒した。
ペルシャは高い文化を誇ってきた。アラブが月のカレンダーを作る前からペルシャは太陽暦を採用していた。
ゾロアスター教という預言者宗教の走りもペルシャが生んだ。
聖典アベスタには最後の審判や処女の救世主懐胎神話もあり「ユダヤ教もキリスト教もそのモデルにした」（メアリー・ボイス「ゾロアスター教」）
イスラムはそのユダヤ教をベースにしたからゾロアスター教から見れば孫宗教に当たる。
だからイスラムがペルシャを支配するのは、末寺の住職が延暦寺を仕切るような当惑感があった。
しかし大帝国ペルシャの民がもつアラブ人蔑視の態度は消えなかった。
かくてカリフはペルシャ人への特別待遇をやめてイスラム改宗を義務づけ、
さらにペルシャ人の誇りを潰して被征服者であることを自覚させようとした。
まず月の暦にしてペルシャ人の季節感を奪った。次がペルシャ文字を廃しアラブ文字を強制した。
ペルシャの民は中東に君臨したダリウス大王の偉業を示す碑文すら読めなくなった。
そしてゾロアスター教では神の御使いとされた犬を穢れの生き物に貶めることだった。
人々は良きイスラムびとの証しとして犬に石をぶつけ棒で打つことを強いられた。
現代のペルシャを仕切るホメイニ師の書「レサレ」の第一章は「犬と豚は先天的に不浄である。毛も骨も汗に至るまで」とある。
このペルシャ潰しの手法を見るとマッカーサーを思い出す。
彼は占領するとすぐ日本語のローマ字化をやらせようとした。
志賀直哉みたいにいっそ日本語をやめて仏語にしたらと阿る（おもね）る者も出た。
マッカーサーはまた季節感に敏感な日本人に占領期間中、サマータイムを強制した。
そしてとどめの政策が日本人にとって尊い麻を不浄の「大麻」に貶めたことだ。
神社の注連縄（しめなわ）も大嘗祭で陛下がまとわれる「あらたえ」も麻でつくられる。
日本人の心と伝統に根ざす麻をそこらの覚醒剤と一緒の扱いにすることで日本人に戸惑いを与えた。
ペルシャではこのアラブ人の巧妙な心理作戦が功を奏し、アラビア語でモノを考え、
犬と見れば石をふつけるイスラムびとになり切ったイラン人が大勢を占める。
だから人が犬に変わって羊を追うが、中には自分がリーダーと思い込む愚かな羊もいる。
夜中に起きて群れを先導する。彼らはひたすら直進する。
気が付いたら雪山の頂にきて進むこともならず、結局群れ丸ごとが凍死するという事件を冬のイランの新聞でよく見かけた。
大震災のとき、管がリーダーの座にいた。日本を丸ごと凍死させそうな愚か者と知って、新しいリーダーを探す動きがやっと出て来た。
野田とか前原とか。いや別な羊ではなく、まともな人をと国民は言っている。

　　２１．　管はスターリンとここまで似ている　　　　2011年6月30日

スターリンは恐怖がヒトを好きに動かすカギになることを知っていた。
だからどこへ行く時も「ラトビアの狙撃兵を伴い手当たり次第に処刑して回った」（斎藤勉「スターリン秘録」）
戦場では自軍のすぐ後ろに「軍の監視機構の阻止部隊が配置され戦闘の恐怖から少しでも後退する将兵を容赦なく射殺させた」（同）
朝鮮戦争の折には毛沢東がこれと同じよう督戦隊を出して米軍以上に味方の中国兵を殺している。
ヒットラーがソ連に進攻した時、彼の残忍さは遺憾なく発揮された。
ボルガ川流域にはエカテリーナ 2世の縁で多くのドイツ人が移り住んでいた。
彼は 100万を超すドイツ系市民をシベリアの収容所に送り込み、何とユダヤ人の看守をあてがった。
「彼らはヒットラーへの報復にドイツ人収容者に情け容赦なく暴力を振るい、ウラルのブーベリ収容所では2か月で1000人が殺されていった」
　　（ゲーテ研究所「ロシアのドイツ人弾圧」）
スターリンは科学を愛した。最も贔屓にしたのがルイセンコだった。
彼は収穫の多い秋蒔き小麦を低温処理すれた遺伝子が変化して春蒔き小麦になると唱えた。
スターリンは彼の主張を絶賛して秋蒔き小麦を春に蒔かせた。実りはなく大凶作が続いて何百万が餓死した。
毛沢東もルイセンコの種を蒔いて、もっと沢山の餓死者を出した。
こういう連中を独裁者という。
まともな日本には縁のない存在だと思っていたら、あの管が「議会制民主主義とは期限付きの独裁政治だ」と言い出した。
つまり彼は今、一時的ながら独裁者の席に座っているつもりでいる。
まさかと思ったが、彼の言動はどこかスターリンに倣っている風に見える。
彼は官僚を執務室に呼びつけ怒鳴る。大震災後は東電役員を呼び「俺は聞いてない」と罵った。
それってスターリンの口癖だった。
福島原発で放水という段になって彼は警視庁に放水車を現場に出せと吼えまくった。あれは威力もない。
結局、周囲を戸惑わせただけで終わったが「彼は放水と聞いて安田講堂攻防戦を思い出したのだろう」
と佐々淳行の近著「危機管理・記者会見のノウハウ」にある。カビの生えた記憶で原発をどうする気だったのか。
管はスターリンがルイセンコを愛したように、「東工大の学者」を愛した。
京大の学者も好きで、人格障害みたいな学者の言を入れて原発はやめ、自然エネルギー計画でと言い出した。
管のまねっこで気になるのは、安住淳に改造させた自衛隊の情報保安隊だ。
本来なら潜入工作員などを調査するのが任務だったが、今は民主党に逆らう者たちの監視に当たらせている。
自衛隊を握り、恐怖の督戦隊も用意した。
独裁体制はできた。
さぁ成吉思（ジンギス）・管と名を改めるか。

　　２２．　インド航空は世界一？　　　　2011年7月7日

日本は結構、空の世界記録を持っている。
古くは第一次大戦の青島攻略戦の折、膠州湾を遊弋するドイツの軍艦に世界で初めて空爆を仕掛けた。
尤も操縦席から擲弾を投げるという素朴な爆撃だったが。
この実績があったから先の戦争の劈頭、マレー沖で英戦艦プリンス・オブ・ウェールズを沈められた。
同艦は世界で初めて航空機攻撃によって沈められた装甲艦として戦史にその名をとどめている。
日本は米国にも不名誉な記録をつくってやった。
米の 4発爆撃機 B17 は高い運動性能とハリネズミのように装備した対空機関銃で、絶対に落されない爆撃機を豪語していた。
事実、後の欧州戦線で「空飛ぶ要塞」はドイツ機をかなり撃墜している。
プリンス・オブ・ウェールズが沈められた翌日、その B17がフィリピン上空でゼロ戦と遭遇した。
彼らは日本にはまともな戦闘機は作れないし、乗員も「おんぶで育てられ、頭を揺すられた結果、三半規管に異常をきたし、
さらに近眼で鳥目だからまともな急降下もできない」（軍事評論家プラット）と信じ込んでいた。
しかし彼らが気付いた時、機体は炎に包まれ、B17が初めて戦闘機の餌食になったことを知った。
米国はショックを受けたが、半分はまぐれと思っていた。
その半年後、ニューギニア・ブチ上空で 5機編隊の B17と 9機のゼロ戦がぶつかった。
板井三郎も加わったゼロ戦隊は敵機の真正面から突っ込んで行って20ミリ弾を叩き込んだ。
弾の速度に機速も加わって凄ましい破壊力が生まれ、5機の B17は全機撃墜された。 B17神話が砕け散った瞬間だった。
ノモンハンでは日本側はソ連機 1,673機を撃墜した。短期間の航空戦で撃墜数としてはこれも世界的な記録になる。
日本は最長無着陸飛行記録も持っていた。
最初は昭和13年、東大の航研機が 1万1600km の世界記録を出した。
昭和19年、木村秀政設計の A26が満州ハルピンー新京ー白城子の周回コースで 1万6435km の記録を打ち立てた。
これは東京からニューヨーク経由ロンドンまでの距離に相当する。戦時中だったため未公認。ただ、ギネス航空記録には登録されている。
航研機は戦後、米軍が壊し、A26も海に遺棄された。
米国人の嫉妬はマッカーサーに航空禁止令も出させたが、その後遺症もあって戦後は航空記録への挑戦は絶えてなくなった。
他のアジア諸国は飛行機を作ったこともないから航空史に残る記録もなかったが、ここにきてインドが頑張りだした。
まず70年代、国営インド航空のボーイング747型機が海に突っ込んで乗員乗客 213人が全員死亡した。操縦士が酔っ払っていたためと言われている。
これが安全なジャンボ機が初めて起こした全員死亡事故として記録に残されている。
その7年後、同じインド航空が太平洋上で爆破墜落。
同時刻、成田空港でインド航空機に積み込むはずの貨物が爆発し作業員2名が死んだ。
シーク教徒による航空機同時爆破テロだったが、インド航空がいつも通り遅れて、世界初の同時爆破にはならなかった。
今年1月、インドのゴア空港で女性機長の操縦するエアバス機がつんのめり事故を起こした。
調査の結果、機長の操縦免許は偽物だった。
驚いて全乗員を調べたら国際線を飛ぶインド航空を含め13人が偽パイロットと分かった。
それも航空史上初の出来事だが、あまり自慢にはならない。

　　２３．　漁民と海、どちらを守るのが大切か　　　　2011年7月21日

九段高校は外房に海の寮「至大荘」を持つ。
高校に入った夏、一年生全員がこの寮に入れられて海と特訓を受ける。
特訓は立ち泳ぎや垂直の潜りを教わり、一人ずつ「底の砂を取って」来させられた。
合宿の締めくくりは守谷の浜から隣の上総興津の湾までの遠泳で、この頃には泳げない「赤帽組」もちゃんと参加していた。
芙蓉ヶ浦では潜りもした。海はどこまでも澄んでいて、紅色の海藻がなびくところはサザエがいた。
ところが最近は様子が変わった。
地元漁協が岸から 50メートルほどのところにロープを張り、海水浴客は「この外に出るな」岩場にも「近づくな」。
芙蓉ヶ浦は「潜るな」「貝を取るな」。なぜなら「我々が漁業権を持ち、貝も魚も俺たちのもの」だ。
海は半世紀前と何も変わったところはない。
日本の海岸線は 3万5千キロある、各河川 40万キロを含めてたった 20万人の漁民の天下になる。
一人当たり 2キロの海岸線をただ漁民というだけで排他的な特権を与えられている。
おまけに国は年間 2千億円の予算を組み、例えば鮭の孵化事業をやる。それで遡上してくる鮭は漁民だけが獲れる。
アホな民主党はこの特権漁民に 520億円の戸別補償もばらまく予定だ。
百姓と同じで彼らはとっくに世襲の特権階級を構成し、一般人は排除されている。
彼らが特権を享受してもいい。ただあまり欲張って人々が海に潜り、和船を漕ぎ、タコと戯れる機会まで奪わないでほしい。
「我は海の子」の 7番にはこうある。
「いで、大船に乗り出して　我は拾はん海の富　
いで、軍艦に乗り組みて　我は護らん海の国」
けちな漁民のせいで海から遠ざけられた結果がどうなったか。
中国朝鮮が日本の海で勝手をやるのを気にもしない風潮と無関係ではないはずだ。

　　２４．　朝日の記事は「逆」に読むべし　　　　2011年7月28日

朝鮮通信使は 15世紀から日本にやってきた。
彼らは日本の仮名に驚き、帰国してすぐ諺文（おんもん）を栫えた。今のハングルの原点だ。
鍍金（めっき）や水車の技術も欲しがった。唐辛子は日本経由で朝鮮に入った。だからあちらでは和辛子と呼ぶと書いてある。
文化は大陸から朝鮮半島経由で日本に来たと俗説はいう。
最近でも東大教授長谷川寿一の「日本語は朝鮮半島からやってきた」説がニューヨーク・タイムズにでかでか取り上げられ、
「紀元前3世紀に朝鮮半島から日本に渡来した民が米作文化と一緒に言葉も持ってきた」（同紙ウェード記者）と断定している。
この説の根拠はいくつかの日本語を向こうの言葉と比較して「似ている」というが、この当時の挑戦古語はほとんど残っていない。
渡来も仮説だし、何よりもそれから10世紀後になっても、まだ水車もない国でどうして米作文化があったと言えるのか。
むしろ唐辛子や鍍金技術がそうであるように、みんな日本から向こうに流れて行ったと見るべきだろう。
近世に入っても、その流れは同じで日本はこの文化果つる地に学校を建て、電気を灯し、鉄道も施設した。
しかし彼らにそれをやらせるとレールの継ぎ目が 5センチもずれる。
先の戦争後、日本が鉄道も工場も発電所もそっくり置いて行ったが、それを元にして北朝鮮は一大工業国家に発展したと朝日新聞が言い出した。
あの人種が、と戦前を知る人は首をかしげたものだが朝日は「北朝鮮は地上の楽園」で
「工場は24時間動き、人々は住む家も医療も生活費も十分保証され」（岩垂弘記者）と薔薇色のキャンペーンを実に10年も続けた。
それで在日 10万人が帰ってくれたのは大いなる功績だったが、少なからぬ日本人妻が朝日に騙されてその世の地獄に落ちていった。
朝日の記事を疑う声も出たが、田英夫や吉田康彦らがカネで噂の上塗りを請け負って世論をたぶらかした。
朝日は代用監獄でもキャンペーンを張った。拘留所一杯だから警察の留置所を代用するのはおかしいというおかしな主張だ。
江戸時代の与力は弁護士と検事を兼ね「なお公平な裁きをした」とスウェーデンの学者ツユンベリが驚嘆している。
程度の低い白人国家でなら意味のある代用監獄廃止論が、進んだ日本の風土にそのまま合うはずもない。
朝日が代用監獄の犠牲者に祭り上げた連続殺人犯の小野悦男はお蔭で無罪になったが、すぐに5歳幼女を犯し、
さらに40歳女性の首を切り落として殺した。
朝日のキャンペーンは常に無辜の犠牲者を生んだ。
自民政権が納税者番号を打ち出すと、北朝鮮はパチンコマネーの送金や脱税が難しくなる。
北京は中国人の密入国が困難になると、ともに強く反対した。
朝日は早速「国民総背番号」と言い換えて反対キャンペーンを打ち、アナタは番号で管理されていいのか、
日本はナチの強制収容所になるとやった。ために納税者番号制は潰された。
枝野幸男も当時は「国民総背番号制は権力の監視機構だ」とやっていた。
今は社会保障の要として納税者番号の成立に躍起だ。
朝日の嘘がやっと判ったみたいだ。
朝日新聞が今度は反原発キャンペーンを張り、論説主幹の大野某が「原発ゼロ社会」を提言した。
この新聞は福島原発を「危ない国産原子炉」とデマを流し、ひたすら核の恐怖を煽り続けた。
その脅しにのった提言かと思ったら「日本は地震国だがら原発は危ない」から「電気料金を上げてでも太陽光で」と孫正義の代弁で締めくくる。
孫は日本人加入者から儲けた金で在日の電話代をほとんどタダにしてきた。
在日という自分の身内のために使っている男だ。
一つ確かなことがある。
朝日新聞が「右」と言ったら過去、いつもその逆が正しかった。
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　　２５．　アフガンに善意は届かない　　　　2011年9月8日

日本人は顔を洗う時、手を動かすが、中国人は顔の方を動かす。
もっと正確に言うと、中国人にはもともと風呂に入るとか顔を洗うとかの習慣はなかった。
日本と中国の文化の違いは捕虜の扱いにもある。
彼らは日本兵を捕まえると両耳と鼻を削ぎ、顔の皮を剥がして切り落とした男根を口に咥えさせる。
そして「やっと最後に錆びた刀で首を曳き斬っていく」と満州・土城子で中国軍と戦った秋山好古軍の副官報告書にある。
山縣有朋は「中国人は古きより極めて残忍の性を有す。生擒に遭わば死に勝る苦痛を受け、
ついには野蛮惨毒の所為をもって殺害せらるるは必然なり」
捕虜になるより自決せよとしながら尚「（そんな中国兵でも）降る者は殺すべからず」と武士の国らしい対応を命じている。
アフガンにもその意味で独特の文化がある。
彼らはイスラム教徒だが、コーランの教え以上に妻の貞淑には厳しい。
「たとえ夫が醜い酒乱だろうと博打に凝ろうと、妻は夫を神と崇めて夫の命令に従わねばならない」（ヒンズー教聖典パドマ・プラーナ）
タイム紙が報じた悲劇もアフガン流妻の貞淑感があった。
彼女は 12歳で近くの村の男の幼な妻になった。亭主は乱暴なタリバン戦士で、夜昼なく泣かされた。
18歳の時、実家に逃げ帰ったが、夫は逃げ帰った罰としてナイフで彼女の両耳を切り取り、美貌の彼女の鼻を削ぎ落した。
彼女の保護に全く無力だったカイザル政権への批判も出て、当局はナイフを振るう間、彼女を押さえつけていた義理の父を逮捕し、
逃げた夫とその兄弟を追っている。
しかしその義父は州知事によって釈放された。理由に「義父は鼻を削いだ当人ではない」ことを挙げている。
この国を理解するのは「皇帝のいない中国」を思えばいい。
皇帝もその軍隊もないから敵が攻めてきてもどこを落とせば落したことになるのか分からない。
だからこの国は滅びたことがない。
民も勝手に生き、みんなが盗人をしても、誰かが逃げた女房の鼻を削いでもそれが彼らの文化である以上、誰も気にしない。
中国が変わらず残忍で不潔であり続けるように、アフガンもずっとアフガンであり続ける。
そんな国でもない国に馬鹿な鳩山由紀夫は 5千億円をやるとか口にした。
ずっと冗談かと思っていたら、管に気を取られている間にもう 2千億円も出していた。
民主党の馬鹿は何代続くのだろうか。

　　２６．　米国人は大統領でも信用できない　　　　2011年9月15日

フランクリン・ルーズベルトは類い稀な深謀遠慮のヒトだった。ただ根性が悪すぎて、後世に禍根しか残せなかった。
祖父ウォーレン・デラノは中国に阿片を売って、そのカラ船に苦力を詰め込んで財をなした。それでルーズベルトはいい暮らしをしてきた。
それがあったので中国には最大級の好意を示し、蒋介石も宋美齢も大喜びしたが、それも彼の遠慮だった。

蒋介石に日本と絶縁させ、白人国家の手先として日本に立ち向かわせた。
蒋は言われるまま慮溝橋で日本軍を挑発し、通州で日本人居留民を虐殺し、さらに上海で大山中尉を殺して上海事変を起した。
それを待ってルーズベルトはシカゴで「日本は狂犬国家だから隔離しろ」と演説した。
悪いのは日本で、中国は被害者だと。
南京が落ちるとニューヨーク・タイムズ記者とベイツら米人宣教師が「日本軍は南京市民30万人を虐殺した」とデマを流した。
それも大統領の差し金だった。
満州はその名の如く昔から満州人のものだが、ルーズベルトは「満州は中国人（漢人）のもの」と言い出し、
蒋も「そうです。日本が侵略しました」と口裏を合わせた。
米国はそれで経済制裁を発動した。
彼の目論み通り真珠湾が攻撃されると、彼はもう日本の処理を考えていた。
彼はカイロ会談を開いて「日本は朝鮮人を奴隷支配した」と言い出した。
翌年、彼は再び「アジアの民は日本の奴隷になるのを望んでいない」と演説した。
朝鮮は税を免除され、学校と鉄道を作ってもらい、初めて文化を知った。そのどこが奴隷だったのか。
しかし彼の二度の発言は威力があった。
朝鮮人が終戦後「あたかも奴隷解放後の黒人のように」（ヘレン・ミアーズ）傍若無人に振舞いだしたのはその明らかな効果だった。
日本の占領政策にはもう一つ彼の遠謀があった。
大政翼賛会のメンバーとして追放中の松本治一郎が召し出され、日本に差別があった証左として重用された。
日本は「奴隷を使い、差別もし、南京やパターンで残忍さも披露した」悪い国に仕立てられていった。
ただ実際に日本に入ってきたのは奴隷を使い、インディアンを殺してきた生のままの米国人だった。
彼らは民家に押し入って女を漁り、金目のものを奪い、殺しもやった。
調達庁の調べで占領期間中に二千五百人の日本人がそれで殺された。
マッカーサーは彼らの犯罪報道を検閲で封じ、犯罪米兵の逮捕も裁判も認めない治外法権を強要した。
かくて十数万件の強姦と殺人は封じ込められた。
表向きは米軍犯罪がゼロだった占領時代をジョン・ダワーは朝日新聞に「マッカーサーのカリスマ性と米軍人のモラルの高さ」（05年7月25日）と解説した。
こんな嘘つき学者も珍しい。
米国はこの治外法権を講和条約後も続けたいと日本政府に要求してきた。
日本政府はやむを得ず呑んだ。
それを示す公文書が見つかったと先日の朝日が報じた。
この愚かな新聞は「密約」だと非難したが、そうじゃない。
ルーズベルトを含めた米国人の傲慢とたちの悪さを問題にするところだろう。

　　２７．　被害者ヅラする米国が生んだ「テロ連鎖術」　　　　2011年9月29日

ジョージ・ワシントンの桜の木を斧で切り倒したというエピソードは作り話だった。その頃米国には桜の木はなかった。
彼は正規の英軍将校になるのが夢だった。しかし英軍は彼を採用しなかった。彼はそれを恨んで米国の独立戦争に挺身する。
チャンドラ・ボーズも英国のインド高等文官試験に受かってインドの知事になるのが夢だった。
ところが学科は通ったものの乗馬試験で落ち、それを逆恨みしてインド独立運動に転向した。
ベトナムのホー・チ・ミンも、仏植民地官吏試験に落ちて、独立運動を始めるが、こういうのが植民地人の共通した発想なのだろうか。
ワシントンは独立戦争に難とか勝ち、新しい国造りを始めた。
彼は自分の農場に 400人の黒人奴隷を囲っていた。大統領になると官邸に 9人の黒人奴隷を連れてきて回りの世話をさせた。
彼は黒人に自由は認めなかったが、インディアンには生命すら認めなかった。
彼は「インディアンを根絶やしにしろ。制圧するのではなく絶滅させるのだ」と命じた。
戦士と戦場で勝敗を争っても絶滅させられない。それで戦場では戦わず、銃後の集落を皆殺しにする戦法がここから始まった。
それはその後の米国の戦い方の形となった。
フィリピンでは抵抗するアギナルド軍 1万8千人は相手せず「彼らの家族 20万人を殺害」（米上院公聴会）した。
ベトナムのソンミの虐殺も同じ趣旨だ。
対日戦争でも本土を攻撃し、敵兵の妻子を殺すことに専念した。
「9.11」の10周年でオバマは「戦場でもない、平和な市民生活を破壊したテロを忘れない」と言った。
その手法を生み、実行してきたのが米国だということも忘れないでほしい。

　　２８．　”ニセモノ” 報道は朝日のお家芸　　　　2011年10月6日

ハリウッド俳優ロック・ハドソンは同性愛者だったこと、それで HIVに感染したことを告白し、その 2か月後に死んでいる。
アンソニー・パーキンスが告白し、さらに仏哲学者ミシェル・フーコーも HIVで死んでいたことが判明する。
そして90年代、米NBAのマジック・ジョンソンが HIV陽性を伝えて引退を宣言した。
警視庁巡査の男が HIV検査で陽性と判明、それを理由に退職させられたと訴え出た。
マジック・ジョンソンが引退したように、この職場では誰かに HIVを罹患させる危険性はかない高い。
どの国もそれに配慮した。カナダでは HIV罹患を知らせずに2人の女性に感染させて死なせた男に第1級殺人罪を適用（09年4月）している。
フィンランドでも HIVを告げずに性交した男を有罪とし、彼の顔写真を公表する罰も付け加えた。
朝日新聞は、HIV検査を勝手にやったのはプライバシー侵害で、不当解雇だと主張した。
男は名も顔も隠して提訴し、東京地裁判事の三代川三千代は「HIV患者でも警官の激しい業務に支障はない。
無断で検査をやったことの方が問題だ」と警視庁に賠償を命じた。ばかな裁判官がいたものだ。
この事件で朝日は、顔も名も出さなくても立派な記事になるという先例にしようとした。
プライバシー保護を盾にすれば、どんな捏造記事だって創れる。
それで「私は中国人を銃剣で刺した」（08年8月13日）という早大名誉教授の告発記事が社会面トップにでかでかと載った。
朝日得意の自虐史観記事で、教授は中国人を銃剣で処刑したと語る。よく聞く話だ。
中国でも「これが現場」みたいな偽写真を出回らせている。
それが事実だったという証言だが、肝心の教授の名がない。添えられた写真もどこにでもありそうな老人の後ろ姿だけ。
記事には丁寧に「いやホントだ」と都留文科大の笠原十九司の保証談話がつく。
南京大虐殺はあったと自虐史観で食ってきた男だ。
朝日は過去、煙幕の写真を「日本軍の毒ガスです」と一橋大の嘘つき教授、藤原彰に保証させた。
これもその毒ガス報道と同じタイプの嘘記事に見えるが、名も顔もない名誉教授では確認のしようもない。
先日の朝日が「ひと」欄で取り上げた震災「被災地で働くボランティア医師」の写真は異様だった。
目深のハンチングにマスク姿の医師はどう見ても振り込め詐欺の出し子の手配写真にしか見えない。
なぜ顔を隠したかは2日後の紙面で分かる。
彼は偽医者だったとお詫びが載ったが、偽医者どころか日本名も嘘。
韓国生まれの詐欺師が正体だった。
顔も名も必要としない紙面作りをしているから、こんないい加減も出てくる。
新聞の使命も忘れた今が廃業の潮時と思うが。

　　２９．　NHKは中国と変わらない　　　　2011年10月13日

NHKは終戦後、マッカーサーの言いなりに日本人洗脳の手先になった。
日曜の午後8時台に流した「真相はこうだ」では、米国の指示に従って日本は朝鮮人を奴隷にして搾取したとか、
中国人を殺しまくったとか嘘を流し続けた。
日本を工業化前の遅れた世界に引き戻せ、というのがオーウェン・ラティモアの戦後処理の指針だった。
彼はローマが仇敵カルタゴの街を焼き払い、その後に塩を撒いて雑草さえ生やさないようにした歴史を持ち出し
「それに近い形で日本を抹殺」（R・ニューマン「ラティモアと支那」）する気だった。
NHKは日本人から視聴料を取って、その指針のお先棒を担いでいた。
不思議なのは講和条約が発効し、日本が主権を回復した後も NHKは「日本人は悪かった」番組を制作し続けた。
先日も台湾について「抵抗する漢民族を日本は弾圧し日台戦争が起きました」「日本は原住民を見世物にしました」とやって、
当の台湾の人々から抗議され訴訟も起こされている。
その前は明治末、日本に留学した陳天華が
「神田で通りすがりの小学生が中国は日本のものになると話すのを聞いてショックを受けて自殺しました」とやった。
陳は湖南省の人で日清戦争の後「恥を忍んで仇敵の国に」留学した。この時はもう 29歳だった。
彼は勉強よりも清王朝を倒す革命運動に懸命で、半年後には西太后の暗殺を目論んで帰国してしまう。
しかし計画は事前にバレて日本に逃げ帰ってきた。日本がロシア艦隊を日本海で全滅させた頃になる。
そんな日本に比べ、祖国は依然、満州王朝の植民地のまま。彼自身の革命運動も挫折したままだった。
落ち込んだ陳は朝日新聞が、安全な日本で革命を壮語しながらただ飲んだくれる中国人留学生を「放縦卑劣」と評したのを知った。
陳はその夜、わが身を革命の礎にするという趣旨の「絶命書」を認めて大森海岸で入水自殺した。
彼は日本語もろくに話せなかった。すれ違った子供が何を言っても、理解もできなかった。
兼ねを払って見ている視聴者は何で日本の小学生が悪いみたいな話を NHK がこしらえるのか理解できなかった。
NHKは伝えなかったが、絶命書には革命の心構えが記されていた。
「責任感を持て」と「外国を頼るな」で後者の例にフィリピンを挙げている。
「彼らはスペインからの独立に米国に頼った」結果、「住民は米軍に虐殺され、その植民地にされた」と。
この二つの諫言は自殺する前に会った孫文に宛てて書かれたと言われる。
孫文は広州決起前から革命のスポンサー探しをし、日本では梅屋庄吉から今のカネにして 2兆円も引き出している。
それを孫文は欧米でもやっていた。彼は梅屋庄吉のカネで米国を豪遊していた。
ニューヨークに行き、パリに飛んで出資者を募った。カネが頭から去らない男だった。
彼は外国勢を引き込めずに帰国するが、この外国にすがる手口はその後の中国の国の形になる。
もう一つの「責任感を持て」も孫文は踏みにじった。
彼は三民主義の中で「日本人にできることは我々にもできる」と嘯いた。
学ぶ謙虚さを忘れているではないか。
この諫めは中国人以上にNHKにも通じる。
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　　３０．　本当の英語力は喋りだけでは分からない　　　　2011年10月27日

ジョージ・オーウェルに「ビルマの日々」という作品がある。
イートンを出た彼は20代の一時期、ビルマの警察署に勤めていた。
物語には植民地の民を見下す英国人の姿が綿密に書かれ、そんな小さな街にも監獄が威容を誇っていたとある。
そんな僻地に流れて来た彼らにとって唯一のプライドと安らぎの場が白人専用のクラブハウスだ。
クラブにはビルマ人の執事がいた。あるとき英国人が執事に聞く。「ご主人様・・・」と執事が答えると英国人が怒り出す。
お前達が小生意気な英語をしゃべるのを聞くくらい腹立たしいことはない。
土人たちは動詞の活用も冠詞もないピジン英語を喋っていればいいのだ。
スタイベックは自分の生まれたカリフォルニア州サリナスを舞台に「エデンの東」を書いた。
そのサリナスに農園を持つアダム・トラスク一家の物語で、映画ではアダムの息子カレブをジェームス・ディーンが演じていた。
アダムは灌漑用の水源を確保するために井戸掘りのアイルランド人、ハミルトンを使っていた。
使用人のリーは辮髪をした中国人だった。
スタイベックの母はアイルランド系で、そのせいかハミルトンは世を達観した哲学者風に描かれ、たどたどしい英語を話すリーの正体も見抜く。
リーはカリフォルニア大卒だが「白人社会では流暢な英語をしゃべることは決していい結果を生まない。
たどたどしい英語を喋っている限り余計な厄災には巻き込まれない」とサミュエルに語る。
少し前、NHKの「その時歴史は動いた」で日本の国連加盟を取り上げていた。
加盟受諾のスピーチは重光薫が行った。
重光の人生は日本の昭和史の歩みを象徴する。
彼は列強が仕組んだ上海事変の収拾に奔走中、朝鮮人のテロで右脚を失った。
終戦時にはミズーリ号で屈辱の降伏調印をした。
そんな彼をソ連は A級戦犯に仕立て、巣鴨に繋がれた。
彼の国連での演説「日本は東西の架け橋に」は冷戦のことではなく、
支配者として再生を謀る欧米列強とまた植民地化されそうな第三世界の架け橋にという日本の思いだった。
なかなか意味深だが、ただ番組の出演者がひどかった。
明石康は重光の国連演説についてのっけに「彼の英語は下手です」とやった。
お前のズーズー弁を日本人は何も言わない。
しかし英語屋は喋りがうまいかどうかで人を判断する。下衆の発想だ。
これは憶測だが、オーウェルの本は上海事変直後に出た。
彼は手術後の病床で読んだのだろう。
「エデンの東」は国連演説の4年前に出た。
それで重光は無用の反発を避ける喋りにした。
白人を気取るだけの英語屋にこれは分かるまい。

　　３１．　日本よ、カダフィ大佐に学べ　　　　2011年11月10日

カダフィの治世が始まって間もないリビアを曽野綾子さんが訪ねている。
入国書類はアラビア語で書けに始まって街で女の写真を撮ったら捕まったとか、女の海水浴は長いコートを羽織ったまま海に入るとか。
イスラム独裁政権のいびつさを産経新聞のコラムに書いていた。
欧米に媚びる王政を倒した。さぁリビア人のアイデンティティを確立しようというのは、まぁ当たり前みたいな話だ。
そのリビアに10年遅れて革命をやったイランのホメイニ師も同じだった。
女は肌を見せないようにチャドルをまとった上にマスクをつけて顔も隠した。
それにカメラを向けたら女の亭主が棍棒をもって追いかけてきた。
こういう圧政の上にカダフィはパンナム機に爆弾を仕掛けて 270人を殺し、米公館を爆弾テロで破壊したとニューヨーク・タイムズは報じた。
そして 42年間の独裁を続けた「中東の狂犬」の最後をさも嬉しそうに伝えている。
カダフィはあの朝、空爆でずたずたにされたシルトを脱出、近くの自分の生家に向けトヨタ車で出発した。
出発してすぐ NATO機が飛来、彼が死なない程度に攻撃を仕掛けた。カダフィは反政府軍に頭を撃たれて殺された。
ニューヨーク・タイムズの報道で、肝心なところが落ちている。
パンナム機のテロの前に米国はトリポリにミサイル 48発と数多くの爆弾を降らせ、
カダフィは「娘ハナと市民多数が殺された」と米国の公然たるテロを非難した。パンナム機爆破はその報復だった。
日本から見れば彼だけではなく、レーガンもまた十分に狂犬だった。
カダフィは曽野さんの見た時代と変わって「女は家の中」のイスラム方式を改めていた。
宗教のくびきから人々を解放し、女を家から解放し学校に通わせた。彼の死んだはずのハナも今は女医になっている。
その学校も医療費もタダ。識字率も上がって 90%に近い。
彼は潤沢な石油収入をもとに「アフリカ通貨基金」設立にも動いていた。
ユーロやドルに振り回されない自分たちの通貨をもつ気だった。
アフリカ人は無知蒙昧で石油だけを出していればいいと思っていた欧米はカダフィの近代国家づくりが許せなかった。
ニューヨーク・タイムズはそういうところを書かない。
その点、日本の新聞はただの馬鹿で「殺さないでくれ」（朝日新聞）と米紙の言う「独裁者の命乞い」を米紙以上に憎々しげに書いているだけ。
サダムフセインは偉かった。
カダフィも立派だったとなぜ書けない。

　　３２．　国士館よ、かっての校風に戻れ　　　　2011年11月17日

国士館は頭山満、徳富蘇峰、渋沢栄一、柴田徳次郎らが設立に携わった。
戦後、柴田が大学を再建し、剣道道場での全学生参加の朝稽古は名物だった。
天長節には日比谷野外音楽堂で奉祝式典も開いた。何より系列の高校と朝鮮高校との対決が知られた。

当時の朝鮮高校は南北とも酷かった。チマチョゴリの女高生は日本の高校生を喝上げし、袋にしていた。
それを国士館高校だけが牽肘できた。やられっぱなしの朝高生が国士館の校舎に殴り込みをかけたという事件まであった。
国士館はそれなりにすごい存在として記憶していた。

この大学の名を久し振りに見たのは、昨年5月、留学生の国費援助廃止で「有能な留学生逃がす危機」という記事が朝日に載った。
国士館の中国人教授那志強の主張で、少子高齢化の日本は今こそ「中国人」留学生を入れよと。
しかし中国留学生のうち毎年 400人が殺人などで捕まり、優秀どころか厄介者だということは言わない。
カリフォルニア州立大では納税者子弟の一期約 700ドルに対し、留学生からは10倍の授業料を取る。
大量の留学生に大量の資金援助など日本だけの愚行ということも彼は触れていない。
彼は内モンゴル出身だと称するが、名を見ても分かるように漢人だ。
日本を害する発言をする嘘つき教授がこともあろうにあの国士館鶴川校で教鞭を執るなど冗談が過ぎると思ったものだ。
その鶴川の今年の学祭のポスターに「欠けた日の丸がデザインされている」と学生から抗議が出た。
学祭のシンポジウムもヘンだと学生は言う。
シンポには東洋学園大教授の朱建栄と立教大教授の韓国人李鍾元の二人だけで日本人は出ない。
朱は「尖閣は漁船の漁網がひっかかって結果的に巡視船にぶつかった」と中国風な嘘を言う男だ。
李も朝日がでっち上げた「慰安婦」を言い立てる。
それにしても日本人がなかなか教授になれない中、何が悲しくてこんなのをぞろぞろ教授にしているのか。

　　３３．　オランダ人の卑劣　　　　2011年12月1日

孫文は清朝を倒す運動を最初、造反と呼んだ。
でも日本の新聞に「孫文の支那革命」とあるのを見て「これだ。今後は我らの行動を革命と呼ぼうと言い出した」
と産経新聞の上海特派員電にあった。
孫文はカネだけではなく知恵までたかっていた。
本人は智者のつもりで「民は屑だから、智者が仕切る専制政治がいい」と革命後の中国の国の形をそう公言していた。
彼を継いだ蒋介石もこの「民は屑」をしっかり引継いだ。
彼は日本に喧嘩を売っては負けて逃げるパターンを繰り返したが、
逃げる時、トーチカに兵士を鎖で縛りつけて日本軍の進撃を死に物狂いで防がせるのもパターンにしていた。
これをオランダ人は統括するインドネシア人にやった。
先の大戦で昭和17年1月、セレベス島に上陸した海軍陸戦隊の報告だが、目標のメナドへの道を 6基のトーチカが阻んでいた。
制圧して驚いた。中には足枷をつけられたインドネシア人兵士がいた。
オランダの支配は苛酷の一語に尽きる。水田を潰してタバコなど輸出作物を作らせ、ために多くの餓死者が出た。
そこまで虐げた現地民を銃を持たせて自分たちを守らせる。
それを命じたのが陸軍大佐ティウオンだった。
彼は陸戦隊と呼応してメナドの飛行場に落下傘降下した部隊に命乞いをして捕虜になっている。どこまでも卑劣な男だった。
因みにこれが日本初の落下傘降下作戦で、指揮官は海軍大佐堀内豊秋。
「空の神兵」のモデルになった陸軍部隊のパレンバン降下はその一ヵ月後になる。
堀内は3ヶ月間ここにとどまり、現地人兵士を故郷に帰し、オランダが課した塩税を廃止し、逆に塩の作り方も教えた。
家ごとに救急箱も与えた。彼が離任する時、村民が総出でに送った話が残る。
戦後、日本人は再びティウオンの名を聞いた。
彼は捕虜収容所を出るとセレベスの BC級戦犯を裁く判事を買って出た。
彼は部下を検事役にして降伏した日本軍兵士を現地人虐殺など捏造した罪で告発し、12人に死刑を宣告した。
堀内はそれを聞き、部下の潔白を晴らすためメナドへ戻っていった。
堀内はオランダ人虐待などの他村民 30人に毒をもって殺害した罪で起訴された。
井出弁護人の調べで、堀内が村人に贈った薬箱を「毒薬配布」に仕立てたことが分かった。
しかし、オランダ人 9人の一方的な証言だけで死刑が求刑された。
証拠は何もない。いい加減な証言だけでなぜ立派な軍人を死刑にするのかを井出が問うと、
ティウオンは「何故なら堀内が日本人だからだ」と答え、判決を前に井出を職権でメナドから強制退去させた。
同年5月、ティウオンは堀内に死刑判決を下した。
かって海軍軍令部におられた高松宮がこの判決を知って、即位を前にしたオランダ王室のユリアナ王女に堀内の助命を嘆願した。
同じインドネシアのスマランでは決起したインドネシア人に捕らえられ、処刑寸前だったオランダ女性 800人が日本軍に救出されてもいる。
しかし、ティウオンの祖国だ。王室も性格は同じだった。
高松宮の願いは聞き流され、堀内は同年9月25日、メナドで銃殺刑に処せられた。
ユリアナ女王が即位して3週間後のことだった。
オランダに船籍をもつ反捕鯨団体のシーシェパードについて先日、同国政府は彼らの日本捕鯨船に対する嫌がらせは、
「国民の多数が支持している」という理由で船籍剥奪を見送った。いかにもこの国らしい。

　　３４．　TPPが「第三の開国」とは笑わせる　　　　2011年12月8日

ペリーが来た時、日本はペリーの残忍さを知っていた。
石垣島で米国船が積荷の病弱な苦力を海に投げ捨て、それを見た苦力が船長ら 5人を殺して島に逃げ込んだ時、
島民の見ている前で絞殺すか銃殺したことを幕府は知っていた。
また攘夷に走る長州が馬関を通る外国船を砲撃する下関事件で、米国の素顔も知っていた。
英公使オールコックの呼びかけで英仏蘭の戦艦 16隻が下関に殺到した。
米国は南北戦争の最中で軍艦がない。それで商戦に小さな砲をつけて参加し、結果日本から莫大な賠償金をせしめた。
開国後間もない頃、日本は横浜に入ったペルーのマリア・ルス号を国際法規に則って拿捕し、苦力 231人を解放した。
これに米公使が文句を言ってきた、苦力は契約労働者で奴隷ではないという主張だった。
米国は黒人奴隷廃止後、今度は黄色い奴隷を使っていることになる。
実は「ペルーの苦力貿易は米国の商会が独占していた」（渡辺惣樹「日米衝突の根源」）ためだった。
かくて米国の支援を受けたペルーは日本を訴え、事件は国際裁判に付された。
裁判はロシア皇帝アレクサンドル 2世が仕切り、明治8年、皇帝は「苦力は奴隷であり、日本政府の対応は正しかった」との判決を下した。
苦力が奴隷であるという根拠の一つに英語の「Shanghai」という動詞がある。
この一語で「上海や広州あたりで中国人を酒に酔わせるか棍棒で気絶させるかして奴隷船に積み込む」という意味になる。
そんな米国から先の戦争の後マッカーサーが乗込んできて、お前ら野蛮人に民主主義を教えると言い出した。
彼は手始めに靖国神社を潰してドッグレース場にし、国民をキリスト教に帰依させようとして、両方とも失敗した。
言論の自由も大切だと説いて新聞を検閲し、彼に都合の悪いことは非民主的だからとカットさせた。
新聞は以来、大事なことは書かなくなり、彼の提灯記事だけがうまくなった。
先日のウォール・ストリート・ジャーナルは日本の TPP参加は「ペリーの来航、そして第二次大戦後の米国占領に次ぐ、第三の開国になる慶事だ」
と社説で伝えた。
日本の新聞でもないのに、なんでこんないい加減を書くのだろう。

　　３５．　歪んだ歴史を放置すると　　（インドネシアの例）　　　2012年1月26日

オランダ人は、ケチと狡猾と根性ワルの代名詞のような言われ方をする。
だからそんなオランダ人に 400年間も植民地支配されたインドネシア人は可哀想だった。
西尾幹二「GHQ焚書図書開封」にファン・ボッシュ総督の強制栽培の話がある。
彼は田んぼを潰してカネになるコーヒーやタバコを植えさせた。ために飢餓で人口が三分の一に減ったとある。
400年間、オランダ人は「土人」に共通語も学校も作らず、ただ監獄だけは立派なものを作った。
永遠に続くと思われた地獄がある日、終わった。
8万のオランダ軍が守るバンドン要塞を一個中隊の日本軍が攻めると、白人たちは一週間で手を挙げた。
日本軍は植民地の民に彼らの共通語をつくってやり、学校を建て、彼らの軍隊ペタを創設した。
軍隊と共通の言葉を持って、彼らは初めてインドネシア人の自覚を持った。
3年後、日本は敗勢に陥り、白人がまた戻ってきそうな空気になった。
スカルノは南方軍総司令官寺内寿一のいる仏印ダラトに飛び、インドネシアの独立承認を求めた。
寺内は彼らの建国を祝福した。
スカルノはジャカルタに戻り、独立を宣言した。
独立宣誓書の日付は「０５年8月17日」０５年は日本の皇紀2605年の意味だった。
しかし帰って来たオランダ人はそれを認めなかった。彼らは独立を守ろうとするペタを武力で叩いた。
抵抗は 4年続き、80万人が殺されたところで米国が間に入り、改めてインドネシアの独立が認められた。
ただ条件が付いた。オランダは植民地放棄の代償として 60億ドルを支払うこと、
そして「アジア解放に殉じた日本」（コーデル・ハルの言葉）を消し去り、代わりに「残虐な侵略者日本」を残すことに二つだった。
スカルノはそれを呑んだ。
ジャカルタに彼の建てた独立記念塔に独立の歴史を綴るジオラマがある。
そこにはオランダの苛酷な植民地支配の記録は一切ない。
代わりに「やってきた日本軍は我が国の資源や労働力を搾取した」（説明文）姿が描かれている。
独立の戦いも対英蘭軍ではなく、対日本軍の戦いに置き換えられている。
実際、ペタは武器を奪うため、日本軍を襲い、千二百人を殺している。
スカルノが白人に示した忠誠はそれだけではなかった。
彼は日本に戦時の蛮行の賠償を要求し、日本はデヴィ夫人のほか当時の国家予算の三分の一に当たる膨大な賠償金を支払った。
賠償に一部は日本軍の落下傘降下で知られるパレンバンの大河ムシ川に架ける橋の建設に使われた。
勝鬨橋に似た構造の 1100メートル級の大橋の名はアンペラ。
現地語の「収奪された者への償い」の頭文字だ。
つまり侵略者・日本が償いに架けた橋という意味になる。
白人に媚びてつけたふざけた名なのだ。
しかし日本側はその名の訂正も求めなかった。
二昔前、その橋の勝鬨部分が壊れた。設計図も紛失して困っているというので、日本がまた 18億円も出して直した。
この時も橋の改名を求めていない。
最近、また橋の具合がおかしくなった。
AFP電によると通行人が「悪い日本人」の作った橋の橋脚に仕返し放尿を続け、それで根腐れが起きたためという。
歴史を歪んだままにしておくとこうなってしまう。

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