| なぜ、日本の感染者が少ないのか？ 2020.10.28 信じる？ 信じない？ 日本の感染者が少ない 数ある諸説 を考える 人間はある事実がわかってもそれだけでは信用しないもので、その理由がわかると納得するものです。 つまり人間の脳は、「事実を事実として受け入れる」 ということは難しく、「事実に対する原因が納得できれば、事実と思う」 という認識をするのです。 新型コロナに対して 「欧米などに対して日本は被害が少ない」 という事実はよく理解しているのですが、その理由がわからないとすぐ不安になります。 著者がいつも経験することなのですが、「こういうことがあるのですが、原因は何でしょうか？」 という質問を受けます。 その方は事実は認めているのですが、原因 （理由） がわからないとなにか落ち着かず、間違いかもしれないと不安なのです。 新型コロナでも同じで、日本での流行が少なかったという原因を納得したいのです。 そこで、今まで色々言われてきた原因について、簡単に論評しておきたいと思います。 （１） 日本は清潔だからという説 日本は靴を脱いで家に上がりますし、主婦は総じて綺麗好きでいつも汚いところがあると拭いていますし、カビや ゴミなどについても神経質です。 さらに歴史的には モヘンジョダロ文化 と ナイル文化 が対比されますが、ナイル川にネズミの死体や汚いものが流れていた ナイル文化と、 下水の整備された モヘンジョダロ文化 との衛生状態の違いが知られています。 例えば、パリの ベルサイユ宮殿 （18世紀に作られた） にはトイレがないのは有名ですが、 日本は ベルサイユ宮殿から 1000年前の 奈良時代 （8世紀） の貴族屋敷の周りには 綺麗な水が流れていた溝 がありました。 一般的に ヨーロッパ文化 が世界でも進んだ文化として知られていますが、衛生という点では劣っていたのです。 14世紀に ヨーロッパでペストが流行し、約半分の人が犠牲になったとされていますが、 その時 ポーランド だけは流行を免れ、その原因は主婦がウィスキー （アルコール） を湿らせた布巾 でテーブルクロスを拭いたのが原因とされています。 （２） 日本には以前から新型コロナ類似のウィルスが存在したという説 この意見は主として 現場のお医者さん が感じていることですが、日本には独特の 「川崎病」 という カゼのウィルスに近いウィルス が知られていて、 そのほかにも 日本独自のウィルス が存在します。 それらがあったためにすでに日本は免疫を持った人が多かったというのですが、 確かに昨年の夏から秋にかけてインフルエンザおよび類似の症状が多かったこと、10月ごろからやや普通と異なるカゼが目立ったことなどが挙げられます。 いわば現場の感じというところでしょう。 （３） 最初に 弱毒の新型ウィルス が日本に上陸したという説 新型コロナの発症した中国は日本の隣国で、最初の時期に弱毒の変異株が日本に入り、それで 50% 前後の人が感染し、それで免疫ができたので、 その後の感染が抑制されたという類の考え方と研究結果で、京都大学の先生方などが主として主張されています。 この節については武漢での感染状態が激烈だったこと、日本は 3月9日まで中国人の渡航を許していたことから、異論もあります。 また、すでに新型ウィルスは 5000種類程度の変異株 が見つかっていますが、19系統 とされる弱毒性のものが 東アジアに、 20系統 とされる中毒性のものが 欧米 に流行したからという原因も考えられています。 （４） ネアンデルタール人の遺伝子が関係しているという説 なかなか面白いのは琉球大学の教授が発表している 「ネアンデルタール人の遺伝子が残っている民族は感染しやすい」 という説で、 ダイナミックな考えです がかなり信ぴょう性がある とも言われています。 （５） 消えた原因説 新しい事実が発生した時にその原因を追究するのはかなり難しく、今回もおっちょこちょいな人が早い段階で色々な説を出しています。 有名なのは 「ＢＣＧの接種が有効だった」 というもので、日本はＢＣＧが義務化しているからですが、 同じく接種率の高い ロシア の流行が後れて、のちに大きく流行したので、この節は今ではあまり重要視されていません。 このように諸説があり、今のところ確定していませんが、いずれにしても 「衛生的であること、免疫が強いこと、民俗性」 という感じです。 そこで、これらの知見を利用してこれから流行するかもしれない新型コロナについて防御をしておきたいと多くの人が思うでしょう。 ◆ コロナが流行るかもしれない未来、どう対処すべきなのか まず 第一に、コロナ系列のウィルスは 「接触感染」、つまりウィルスが何かのものに 付着して いてそれに触った人が感染しやすいという点では、 三密よりも 「汚いところを常に消毒する」 ということで、たとえば トイレの ドアノブ、みんなが触れる 手すり などに触れないことでしょう （清潔にする）。 第二に 「免疫がすべて」 ということですから、普段から 食生活 （ご飯、 みそ汁、 ショウガ、 ニンニク、 キノコ、 緑茶）と 生活スタイル （軽い運動、 軽い日光浴、 熱い風呂） を組み合わせて、免疫力を上げておくことです。 第三には、10か月の流行で日本では、未成年の死者ゼロ、20歳から60歳まで の死者はたった 78名 という事実をよく理解して、 60歳以下の人は 「清潔で健康」 に注意すればまずはマスクなどは不要であり、 かえって閉じこもったりマスクをして肺や脳を弱めると抵抗力が減るので、その方が危険でしょう。 そして最後にお年寄り （著者も含めて） はいずれに死ぬのですし、新型コロナによって亡くなった人の年齢は平均寿命より高齢なのですから、 それほど心配せず 「俺もいつかわ死ぬ」 ぐらいの気持ちが必要でしょう。 「TVが伝えない真実」 へ戻る |