心からの感謝を　 李承晩 物語　　　　高山 正之　　　　変見自在 2022/3/27 李承晩はいい出自だと本人は自慢していた。 ただ血筋はよくとも実際は没落両班の貧しい子弟でしかなかった。 いい生活がしたければ科挙に受かるしかない。 受かれば領地が貰え、領民を好きに搾って思うままの贅沢ができる 因みに支那の科挙合格者は一代限りの栄華だが、朝鮮は孫まで三代も領主でいられた。 孫の代はこれが最後だから収穫は根こそぎ持っていった。 あの民族性だ。 情け容赦はなかっただろう。 李承晩もそれを夢見たが、さあ試験というときに日清戦争が起きた。 科挙の制は以後、廃止された。 しょうがない。 英語塾に通いながら、閔妃に振り回される 高宗の優柔不断を謗り嘆いていたら、それを告げ口された。 それで牢に繋がれ、拷問で爪も剥がされた。 日露戦争が始まると 高宗は日本牽制のため 米国との誼 (よしみ) を築こうと考えた。 英語屋を探して獄中にいた李承晩を見つけた。 彼は囚人から一転、李朝代表として米国にいく。 しかし米国はこんな厄介な国を日本に押し付け、国力を削ごうと在朝鮮の米公館を閉じてしまった。 「白人には白人の重荷がある」 「日本人も黄色い重荷を背負おう」 と Ｔ・ ルーズベルトは言った。 日本嫌いの李は ホノルルに逃げた。 そこでは 「日本人です」と名乗った。 節操は欠片もなかった。 そんな人物が戦後、韓国初代の大統領になった。 みな首を傾げたが金日成は大喜びした。 昭和 25年6月、北朝鮮は南に攻め込み 朝鮮戦争が始まった。 李承晩は戦争を米軍に託して釜山に逃げた。 米軍は困った。 「どうでもいい国」 （アチソンン・ドクトリン）のために米軍将兵がばたばた戦死していた。 トルーマンは米兵の代わりに日本兵を使うよう 「日本を独立させ、再軍備させろ」と命じた。 かくて サンフランシスコ講和会議が始まると 李承晩は マッカーサーに 「韓国を戦勝国として参加」させるよう求めた。 それで日本から賠償金を取るつもりだった。 しかし答えは 「お前らは戦勝国人でも敗戦国人でもない。 第三国人だ」 だった。 賠償をただ取る手立てを失うと李は日本に直に日帝支配の謝罪と賠償を求めた。 吉田茂は 「感謝されこそすれ、賠償はなかろう」と相手にもしなかった。 ならばと 李は日本海に海洋資源保護の名でいわゆる 李ラインを引き、竹島を奪い日本漁船を拿捕して漁船員を人質に取った。 それを交渉材料に李承晩は昭和28年１月、訪日して 吉田茂に賠償交渉を迫った。 会談では冒頭、李が爪のない指を見せ 「日本軍がやった」と嘘をかました。 吉田は蔑み、答礼も断って翌昭和29年、不法残留韓国人の追放と 韓国艦艇の武力撃退を命じた。 李は震え上がる。 急ぎ 日米韓不可侵条約を提案して米国のスカートの中に潜り込んだ。 それから間もなく 李承晩は韓国人からも見放され、息子一家は心中し、本人は再びホノルルに亡命した。 今度は日本人名を名乗らなかった。 戦後、日本の領土を奪った悪い国が ３つある。 一つは米国。 戦略要衝として沖縄を取った。 無抵抗の島民10万を殺したが、彼らも 7万5000人死傷という代価を払った。 そしてソ連。 実に汚い国で、日本の降伏を待って千島と北方四島を盗った。 それでも出だしの 占守島で 3000人が戦死したうえ 「ロシア人は薄汚い火事場ドロ」と今も蔑まれる。 しかし韓国だけは無傷で 竹島を盗った。 その反省もなしに 5億ﾄﾞﾙの援助をもらい、漢江の奇跡を作ってもらい、中曽根に60億ﾄﾞﾙを融資させ・・ ・と好きにたかってなお「心から詫びていない」と毒づく。 素直に日本に 「心からの感謝」を述べ、李ラインの横暴を詫び、竹島を早々に返還したらどうか。 負け組 プーチンが火事場ドロを詫びて北方四島を返してからでは遅すぎると思わないか。 　　　「変見自在」 へ戻る