　　日本、「覆面脱ぐ」 NTT、IWON にラピダス半導体活用　ドローン・全自動運転など「用途多用」　　　ロイター　勝又壽良

NTT は、光技術を使った次世代通信基盤「IWON（アイオン）」を開発し、世界標準化に向けて準備を進めている。
この IWON は、先端半導体の量産を目指す出資先のラピダスと技術面で結合するとの考えを示した。
ラピダスが開発する先端半導体と、NTT が推進する次世代情報通信基盤 IOWNとの接続性・親和性を前提とした機器開発の方向性を明確にしたものだ。
日本のサプライチェーン強化につながるとした。

　　『ロイター』（12月15日付）は、「ラピダス半導体に IWON 活用も、供給網強靭化＝NTT会長」と題する記事を掲載した。

NTTの澤田純会長はロイターのインタビューに応じ、光技術を使った次世代通信基盤「IWON」について、
先端半導体の量産を目指す出資先のラピダスへの活用を模索する考えを示した。
開発する半導体の独自性が強まり、日本のサプライチェーン強化につながるとした。

　（１）　「澤田会長は、日本の半導体産業が大量生産・低価格路線で競争力を失った過去を振り返り、
「スケールメリットでは台湾の TSMC や韓国のサムスン電子には勝てない」と指摘。
「少量多品種を狙うべき。日本が独特のソリューションをほしいとすれば、ラピダスにはそこを狙っていってほしい」と語った」
ラピダスは、少量生産を短納期で行う姿勢をみせている。これを、「売り」としていく。

　（２）　「ラピダスが手掛ける先端半導体はロボットやドローン、自動運転車、工場自動化などに使われることが想定され、
「そこにぜひ、消費電力を落とすためにも（電気信号と光信号を統合する IWONの）光電融合をセットしてもらう」と展望を語った。
「ユニークなソリューションの物を出していくという意味では、非常にサプライチェーン上の強靭な物を構築できることにもなる」とした」
ラピダスは、IWON と接続される無人機や自動運転車、工場自動化などに使用される半導体生産を担う。
これは、日本の機器メーカと一体化するものだ。

　（３）　「NTT が、本格的な商用化に向け開発を進める IWON は、従来の電気信号を光に置き換えることで
消費電力を従来の 100分の 1、伝送容量を 125倍、遅延を 200分の 1にすることを目標にしている。
人工知能の普及で電力不足が懸念される中、IWON の技術が解決策として有効だと NTT は考えている」
IWON は、消費電力が従来の 100分の 1 に低下するので次世代通信網 6G として、国際標準化として公認方向にお向っている。
2028 ～ 30 年には正式決定の運びだ。
ライバル製品が存在しないという絶対的強みをみせている。
光と電気が融合する初の通信網になる。

　（４）　「まずは機器と機器を光でつなぎ、2028年ごろに半導体チップ間、32年ごろにチップ内の通信を「光化」することを目指す。
澤田会長は「遅延のない情報基盤と、電力コスト削減の両方のために光電融合を組み込む
『フルセットの IT 基盤』をつくるという概念が OWON としては一番わかりやすい」と述べた。
遠隔地の映像や音声をほぼ時間差なく伝送できる技術を生かし、大阪・関西万博と台湾の会場とリアルタイムでつなぎ、歌舞伎を上演した。
建設や医療現場の遠隔操作や、自動運転などへの活用も期待される」
大阪・関西万博と台湾の会場とリアルタイムでつなぎ、性能の一端が披露された。
光電融合であるから遅延を 200分の 1 に縮めている。

　（５）　「NTTは、IWON 構想を進めるに当たり、2020年に国際組織「IWON グローバルフォーラム」をソニーグループ、米インテルと設立した。
今は通信会社やユーザー企業など約 170社・団体に広がっている。
また、サーバー内の電気信号を光に置き換える「光電融合スイッチ」の商用化に向け米半導体大手ブロードコムや
台湾のアクトン・テクノロジーと組むなど、国際的な連携や協力を広げている。

一方、光電融合技術にはエヌビディアなども参入し、開発競争が激化する」
IWON は、日米が共に描く未来の情報社会の設計図になった。
その実装を担うのが、ラピダスや NTT、そして米国の先端企業である。
これは、技術・経済・安全保障の各面で日米を強固な同盟へと繋ぐ手段だ。

　（６）　「澤田会長は 10月上旬まで、財界人らでつくる日米経済協議会の会長を務めた。
「トランプ大統領のやり方は、日本にとっては良い面もある」とし、日米両政府が合意した 5500億ドル（約 85兆円）の対米投融資案件も
「前向きにとらえれば、関税が高くなる中、日本は向こうの中に入り込んで、市場を取って良いよということ。
米国のインナーに投資していくのはポジティブだ。
民主党系であれ共和党系であれ、州知事は日本からの投資と連携はウェルカムだ。
市場は伸びているから、うまく投資を考えていくべきだ」と話した」
日米両政府が、合意した日本の 5500億ドル（約85兆円）の対米投融資案件も、日本企業の米国市場で地歩を築く良いチャンスとしている。

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