日本への強硬姿勢をつづけると 「愛国無罪」 の圧力鍋は爆発する　 　　　　　　　　次の 「反日暴動」は 反共産党への起爆剤になるだろう　　　　　　　　　　　宮崎正弘　　　　2025_11_20 ロシアが突っ張りを続けるのは面子ではなく名誉である。 自らの矜持を傷つけられると名誉の回復が第一義というのがロシア正教のパラダイムからくる思考回路である。 名誉ある停戦、これがプーチンの見せ場。 中国の場合は名誉ではなく面子である。 面子が潰されると、見境なく暴走する。 制御できないのだ。 　AI の悪用と軍事転用は共産党の権力機構を維持することが最大の目的だから、西側のイノーベーション開発動機とは大きく異なる。 中国国民を支配する監視、防犯カメラ、顔認証、プライバシーのデータセンター （個人のプロファイル） で大きな威力を発揮する。 買い物や乗車券などをカード払いにしているのは企業の統計と消費動向分析だけが目的ではない。 個人の行動を見張るためである。 　7月から 9月にかけて日本ではまったく報じられなかったが、 中国 各地で 大規模な暴動、労働争議、抗議集会、警官隊との衝突が繰り返されていた。 中国共産党は警察を駆使して徹底的に弾圧した。 工場閉鎖、給与未払いの工場では労働者のストライキが 7000件 以上おきた。 伝えられる情報では 華南高等技術学校 （職業訓練校） で 2000人の示威行動が突発した。 授業料が年間 30万元円 （日本にあてはめると 300万円という大金）、全寮制。 クラスでスマホ禁止、学生寮の食事は刑務所の残飯のごとしで、食中毒で何人かが入院した。 あまりのことに学生は不満を爆発させた。 貴州省でも同様な学生デモが突発し、すぐさま警官隊が出動し、徹底弾圧、指導者を検挙し退学処分。 この 不満のマグマ は内にこもる。 この ガス抜きをねらって、次ぎに反日暴動を組織化させ、黙認することは簡単である。 2012年の反日暴動は北京の日本大使館に卵を投げ込み、各地の日本領事館もデモ隊が押しかけた。 パナソニック、イオンなどの日本企業が襲撃された （殆どが黒覆面のプロの仕業）。 数百億円の被害の補償に中国政府は頬被りだった。 この事件以後、日本の世論は中国に急激に冷ややかとなった。 目が覚めたのだ。 中国と付き合うと ろくなことはない、と。 あのとき中国経済は「上を向いて歩いていた」から学生たちには余裕もあった。 いまは 卒業＝失業 であり、職が見つかっても月給が 6万円程度、人生は真っ暗なのである。 こうした デスパレートな若者の感情は 反日運動が黙認 されるとわかるや、すぐさま 反共産党の過激な暴動 に発展するだろう。 為政者はそれを最も恐れている。 国民が 共産党を憎んでいる ことを知っている。 だからこそ日本に居丈高にでて関心の矛先をすり替えるのである。 　　　「メディアからの抜粋」 へ戻る