　　『地獄からのラップトップ　暴露された大統領家のスキャンダル』　　　ミランダ・デヴァイン著,　藤井幹久訳　　書評　宮崎正弘　　（幸福の科学出版）

2024年8月19日、米連邦議会下院は共和党主導の三つの委員会が合同で「バイデン大統領弾劾報告書」（291ページ）を公表した。
外国からの不正な献金など詳細を調べ上げ弾劾に値するとして報告たが、時宜的に遅すぎた。
バイデンの任期があと 4ヶ月となって事実上のレイムダッカ入りしてしまったため、本会議での決議は見送られるだろう。
トランプが言うように「バイデンは犯罪者」である。その根拠が、この本にすべて書かれている。
全米でベストセラー入りしたのは当然だが、この書評執筆時点で、米国のアマゾン評価は 1万人以上が 4つ星をつけた。
アメリカ国民の多くがバイデン一家の犯罪の詳細を知りたがったのだ。
著者のミランダ女史は豪州のジャーナリストで、NYCに移住し、ニューヨークポストのコラムニストをつとめる。
「馬* 息子」のハンターを筆頭に、バイデン一家の前代未聞の醜聞、それをニューヨークポストが勇気を出して決断し報道を開始するや否や、
左翼メディア、FBI、ホワイトハウスは束になって「ロシアの陰謀、偽情報工作だ」と問題をきれいにすり替えた。
真相をあばいたニューヨークポストを、フェイスブックとツィッターはアクセスを遮断した。
中国共産党だってビックリの言論封殺。アメリカは全体主義に転落していたのだ。
言論弾圧は、その後も不正選挙に関する記事や分析を遮断し、ワク X ンへの疑惑への言及にも目を光らせ、国民は知る権利を喪った。
左翼メディアの言っていることが正しいと信じる、ものごとを深く考えない人達は、素朴にカマラ・ハリスに期待し、
トランプへ危険きわまりなく、暗殺されてしまえと短絡的な意見を抱く。
情報操作の悪魔がアメリカを支配し、アメリカ情報の複写機でしかない日本のメディアは鸚鵡返しに、いささかの検証もしないで偽情報を垂れ流す。
真実を知りたい、アメリカ政治の高層部はホワイトハウスの権力を越える、目に見えない『闇の権力機構』が存在しているのか？

　バイデン一家と中国との巨額マネーをめぐる一連の闇は、さらりと葬られて、もちろん中国でも一切報道されないから、
アメリカ人の大半はこの問題の深刻度、危険度に無頓着である。
バイデンに変わってのハリス支援の熱狂度をみても、あるていどの理解は出来る。
習近平が王岐山を遣っての汚職撲滅キャンペーンとは江沢民派の一網打尽、その資金源を奪う権力闘争というのが本質だ。
その過程で、中国からハンター・バイデンならびにバイデン一家のマネースキャンダルが飛びだしたのは皮肉である。
バイデン一家はチャイナマネーに汚染されていた。

ハンター・バイデンのラップトップは、こうした機密が満載、見るのも憚るような写真もあった。
故障したと近くのパソコン修理屋のアイザックのところへハンターは三台のパソコンを持ち込んで、そのままラップトップを修理に出したことさえ忘れてしまった。
何度も督促電話をかけたが、連絡がとれず保管期間を過ぎても取りに来ないため、所有権はアイザックに移管し、中味を明けて、驚くのである。
アイザックはジュリアーノの顧問弁護士に打診し、情報の真贋の検証が行われ、スティーブ・バノンも絡んで、結局はニューヨークポストに持ち込まれた。
この詳細のプロセスこそ私たちが一番興味を抱く所で、詳細をあますところなく、本書では詳述されている。
そして FBI がやってきて『証拠物件』として、アイザックの手元からラップトップを押収していった。
アイザックは念のためコピィをつくり保管していた。 FBIは「ロシアの情報工作だ」と言い張った。

ニューヨークポストのすっぱ抜きにフェイスブックとツィッターはアクセス遮断という暴挙にでた。
真実が国民につたわることを懼れた。トランプの口座を永久凍結した。
このような民主党の全体主義の台頭に敢然と立ちむかったのがイーロン・マスクだった。
マスクはツィッターを買収し、左翼社員をばっさりと解雇し、Ｘと社名を換えて情報戦争の砦を築いた。
また FOX を解雇されたタッカー・カールソンが独自の局を立ち上げた。
バイデンが TIKTOK 禁止の挙に出るや、トランプは「そんなことをしたらフェイスブックを肥らせるだけだ」と反対の声を上げた。
中国に情報が漏れる？　自ら漏らしている人達がいまさら何を言い出すのか、というわけだ。
本書を読むとホワイトハウスの裏側で展開されていた闇取引の真相がこうまでひどいものであった事実に震撼するのである。

　　　「本棚」へ戻る